第608回/光と闇の旅は道連れ - 異世界の旅路(時の静寂ゲームの館) - ファンタジー
FC2ブログ

NaGISA net - フリーノベルゲームレビュー

ARTICLE PAGE

作品リスト − 新着順名前順プレイ時間順ジャンル別掌編
久住女中本舗作品リスト - 新着順/名前順
Peing質問箱(リクエスト、ご質問お気軽に)

第608回/光と闇の旅は道連れ - 異世界の旅路(時の静寂ゲームの館)

ファンタジー
  • comment0
  • trackback-

異世界の旅路

異世界の旅路■制作者/時の静寂ゲームの館(ダウンロード
■ジャンル/異世界召喚バトルノベル
■プレイ時間/45分

少年が目覚めると、そこは見知らぬ草原だった。目の前にいたのは赤い髪のフィアレスという青年。記憶をなくした少年にフィアレスはソラという名前をつける。フィアレスとソラはやがて「闇」と出会い、もう1人の少年アルが彼らの前に現れた。体が光っているアルには何か秘密があるようだが。そしてソラが失った記憶とは? 異世界放浪型ファンタジー。

ここが○

  • 凝った設定。
  • 流れが淀まず、どんどん話が進む。
  • 短い話ながら、後半見せる意外な展開。

ここが×

  • 設定が凝りすぎていて分かりにくい。
  • 台詞の発言者が分かりにくい箇所がある。
  • ツールの仕様で遊びにくい。

■光と闇の旅は道連れ

綾さんのお役に立たせて下さい!」の作者さんの作品です。この作品はどうやらシリーズになっているようで、これはその第1作目のようです。なんと十作まで続いている模様。いわゆる異世界召喚型ファンタジーです。ライトノベルではよく見るテーマですが、フリーノベルですと素材集めの大変さもあって、ポピュラーなテーマの割にあまり見ませんね。

出だしから謎めいた展開です。冒頭は、現代日本を思わせる部屋でアルが「心の声」を聞くという不思議な描写。そしてその直後に場面は異世界に移ります。そこで、赤毛の青年フィアレスの前にアルが現れるのですが、直後アルの姿が見知らぬ少年に変化してしまいました。序盤から、まずは読者を引っ張る力は十分です。主人公はフィアレスにソラと名付けられ、ソラとフィアレス、アルの3人は一緒に旅をする事になります。

異世界の旅路異世界もののファンタジーで、典型的な剣と魔法の世界です。なので、かなり凝った設定が色々と出てきます。こういうファンタジー独特の設定は、下手をすればいわゆる「中二っぽい」雰囲気になってしまうこともあるのですが、この作品は意外にも(?)そういう感じはあまりせず、そこは好感が持てました。ストーリーもそうですし、登場人物も男性主体で硬派なイメージがあるので、そう感じたのかも知れません。

ただ、設定は凝りすぎて分かりにくい箇所も結構ありました。お話も設定も、それだけとれば決して分かりにくくはないのですが、この尺にしては色々な設定を盛り込み過ぎ、説明も十分とは言えません。更に、全ての設定が残らず作中で生かされているかというと、必ずしもそういう訳でもありません。物語の大枠は実はさほど難解な話ではありませんので、設定をもう少し簡略化し、大事なところをしっかり説明した方が良かったようにも思えました(シリーズ化を前提とした作りなのかも知れませんが)。

と、設定とその説明には少し不親切に感じるところもありますが、基本のストーリーはよく出来ています。短いプレイ時間の中で、程よくイベントが起きますし、適度に読み手の予想を覆してくれる展開もありますので、読み応えも十分あります。中盤からラストにかけての展開は、この作品ならではの設定の妙ですね。

この作品、エンディングが3つあります。1つはバッドエンド風のもの。2つはノーマルエンド風のもので、アルとフィアレスどちらかのエピソードに軽く分岐します(ラスト前のやり取りが少し変わる程度ですが)。そしてノーマルを両方とも見ると、3つ目のトゥルーエンド風のものが見られます。当然、トゥルーが一番収まりがいいですが、ノーマルやバッドも案外悪くありません。個人的にはノーマルの方が気に入っています。

とは言え、ツールがYuuki! Novelですので、この手の「両方のエンドを見るとトゥルーへの道が開ける」というタイプの作品は、少し辛いところがあります(Yuukiの特性上、フラグを維持するためには、最初からやり直さないといけませんからね)。無条件スキップはありますが既読スキップはありませんし。一応、無条件スキップがまずまず高速で動きますので、適当な選択肢の前まで飛ばしてしまいましょう。

それとこの作品、少々発言者が誰なのかが判別しにくいところがあります。1人1人が独立して発言する箇所だとまだ分かりますが、数人が入り乱れて会話する場面になると、誰が誰なのかよく分からなくなる事もしばしば。発言者の名前をつけていた方が、読者に親切だったような気がしました。

ツールに起因する遊びにくさはありますし、独自の設定が多くてよく分からないところもあるのですが、短編ファンタジーバトルものとしてよくまとまった作品です。上に書いたようにエンドは3種類でプレイ時間は45分。分岐条件は分かりやすいですが、分からない場合は作者さんのサイトに攻略情報が載っています。続編もあるようですが、これくらいの長さであれば、気軽に続編を読んでみたくなります。また日を改めて、続きも読んでみるつもりです。
関連記事

Comments 0

Leave a reply