第609回/今だ反転、血の交錯 - Re:blood(臨界ライブラリー) - アクション・ドラマ
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第609回/今だ反転、血の交錯 - Re:blood(臨界ライブラリー)

アクション・ドラマ
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Re:blood

Re:blood■制作者/臨界ライブラリー(ダウンロード
■ジャンル/架空疾患サイコバトルノベル
■プレイ時間/20分

「反転病」という病気が蔓延し、世界を脅かし始めていた時代。政府は反転病対策をいくつか講じ、問題は軽減していたが、反転病重症者は処断しなくてはならない。高校生の志藤在香と紫藤浅葱は、ある日所属する組織からの連絡を受けた。反転病重症者の元へ出向いて、処理を行わなければならない。動く一枚絵が驚きのサイコバトル。

ここが○

  • 設定が興味をひいて面白い。
  • 一枚絵主体で進む展開は見応えあり。
  • なんと途中でその一枚絵が動く。

ここが×

  • 主人公達の設定が少し分かりにくい。
  • 一切ルビが振られておらず、人名の読み方が全く分からない。
  • あくまで第一章なのできちんと完結していない。

■今だ反転、血の交錯

時々、一枚絵だけで進む作品に出会う事があります。古めの作品だと「桜月夜に舞い降りたピンク」が名作でしたし、他にも「銀河特捜ライジン」「罪咎オペレッタ」「ある国のある屋敷のお話」「ガラス姫」など、手間をかける事を厭わないだけあって、個性的な良作が揃っている印象です。

そしてこの作品も、短編ではありますが、終始一枚絵のみで進む手がかかった作品です。一枚絵で進む作品に、絵画的な手法と漫画的な手法があるとしたら、この作品は間違いなく後者です。独特のカットイン風のコマ割りなど、動きを感じさせるような演出が実によく効いています。グループ制作で作られたようですが、作者さんはかなり物語作りを研究しているような印象を受けました。

Re:blood主人公は高校生の志藤在香と紫藤浅葱。ちょっと困ったことに、この作品は一切ルビがないため、特に人名は何と読むのか全く分かりません。ルビはやはりある程度振っておいてもらえると親切ですね。そしてこの世界には「反転病」という架空の病気が蔓延しています。反転病の詳しい説明については物語を読んでいただくとして、この病気は重症になると他人に危害を加えるなど、放置できない状態になります。

そのため、条件を満たす者が反転病重症者を始末する(要するに殺してしまうのです)事が国によって認められました。在香と浅葱は、この役割を担っているという訳です。そんな訳で、序盤の少し甘ったるい(?)描写から一点、重症者を始末せよという任務を与えられた在香と浅葱は、2人の同僚、杏梨と伽耶と連れ立って現場に赴き、血生臭いバトルが展開されます。

まず重要な事ですが、この作品はあくまで「第一章」という位置付けです。そのためなのかどうかは分かりませんが、作中の説明が少し不親切な気がします。主人公達4人の属性に対しても、途中で混乱してしまいました。誰がノーマリで誰がマーブルで誰が反転病なのか、この辺りはあえて分かりにくくする必然性は何もありませんし、もっと読者に分かりやすく提示してくれても良かったような気がしました。

さて、終始一枚絵で展開するこの物語。後半にはバトルシーンに突入するのですが、このバトルシーンでは、何となんの前触れもなく、背景だと思っていた一枚絵が動きます。予想もしていなかったので、この演出には驚かされました。前半でも、漫画風のコマ割りが効果的でしたが、後半のバトル部分はより一層凝っています。絵が動くだけでなく、構図などもよく考えられていて、バトルのスピード感がよく描けていたと思います。

第一章だけあって、一応切りのいいところで話は終わるものの、「プロローグが終わりました」という感じの読了感です。そして作中で出てきた設定などが、十分に生かされているとは言いがたいところはありますが、それは第一章である事を鑑みれば致し方ないところでしょう。それでも、変に謎や伏線をあれこれ出して引っ張っていないため、これ単体でも短編作品としてさほど違和感のない読み心地でした。

そして読み終わると次章予告が入ります。この予告を読んでいると続きが読みたくなってきますね。が、公開が約3年前。そして作者さんのサイトを見ても、当分更新されていない様子。続編は難しいのでしょうか。グループ制作のようですから、個人制作よりも大変な事は多いと思いますが、魅力的な作品ですし、何とか続きが制作されるといいのですが。

なおこの作品、テーマがテーマだけにかなりグロテスクな描写もあったりします。文章だけでなく、一枚絵でそういう場面が描かれますから、いきなりばーんと来ますので、そういうのが苦手な方はご注意ください。まあ、それほどはっきりそのシーンが描写されている訳ではないので、目を細めれば大丈夫な範囲かも知れませんが(笑)。

ツールはNScripterです。プレイ時間は20分くらい。序盤の選択肢でバッドエンド選択肢に分岐します。個性的なキャラクターと、迫力のあるバトルシーンが特徴的な短編物語。全画面テキストウィンドウの透過率が低いので少し読みにくいですが、その場合は設定でフォントをゴシックに変えましょう。かなり読みやすくなります(やはりノベルゲームのフォントはゴシックが読みやすいですね)。短編とは思えない力の入りようで、こういうバトルものが好きな方なら楽しめるはずです。
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