第620回/純情ガールは海の底 - 純情☆スクールデイズ(MIS.W) - コメディ
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第620回/純情ガールは海の底 - 純情☆スクールデイズ(MIS.W)

コメディ
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純情☆スクールデイズ

純情☆スクールデイズ■制作者/MIS.W(ダウンロード
■ジャンル/海の底で青春ノベル
■プレイ時間/15分

主人公の海子は、女子高でそれなりに楽しい青春を楽しんでいたのだが、ある日父親から電話が届き、突然共学高に転校する事になった。しかもその学校は何と海の底にあるという。その学校に登校した海子は、幼馴染と再会するのだが、幼馴染は海子が仰天するような姿になっていた。海の底の学校で繰り広げられる、不条理青春コメディ。

ここが○

  • 設定が物凄い。
  • 登場人物たちの、ナンセンスでどたばたなやり取りが面白い。
  • 自前の素材が高品質。

ここが×

  • 全然純情じゃない主人公(笑)。
  • ずっこけてしまう落ち。
  • 合わない人には楽しめないかも。

■純情ガールは海の底

最近、ヘビーでハードな作品が続いたので、ここらで息抜きとばかりに、ちょっとお馬鹿なのりの作品に手を出してみました。「πとナブラの正しい料理法」の作者さんによる作品です。もっとも、制作者は大学のサークルで、あの作品からかなり経っていますから、恐らくメンバーは別物だと思われますが。

「πとナブラ」が、ちょっと知的な笑いを取りに来るものの、どちらかと言えばシリアスな恋愛ものだったのに対し、こちらは最初から馬鹿全開です。ふりーむの画面写真を見ていただければ分かる通り、ほとんどのシーンで魚しか登場しません。画面写真からお察しの通りの、ナンセンスコメディノベルです。主人公の海子の言動が今風に荒っぽ過ぎて、ちっとも純情ではないのですが、現役の女子高生ならばあんなものかも知れません。私の妻も女子高でしたが、女子高って大変なところらしいし(笑)。

純情☆スクールデイズ最初の設定からしてぶっ飛んでいます。未来の日本は、人口が爆発的に増え、地上に住める場所がなくなってしまったのでした。そこで、高度な技術により、海底に街を作り、地上に住めない人は海底に住むようになったという設定。この海底の背景が非常にシュールで、最初は背景を見ただけで笑ってしまいました。この作品、素材は全部オリジナルのようですが、どれも手がかかっています。

さて、主人公の海子には幼馴染の男子生徒バクチがいて、彼は中学校卒業と同時に転校してしまいました。海子は女子高で1年の学生生活を過ごしたのですが、ある日両親の転勤によりいきなり転校する事に。しかも転勤先が何と海底(笑)。なので海子も海底の高校に通う羽目になってしまったのでした。この辺りの、ナンセンスな笑いのセンスは大したものだと思います。こういうのは、変に狙うと滑って寒くなるばかりなのですが、凄過ぎる設定ととんでもない舞台、それにキャラクターが絶妙に「ずれて」いて、独特の笑いを生み出してくれています。

そして転校した先の生徒は、何と全員魚。転校したクラスには、幼馴染のバクチがいて、普通の恋愛ノベルならばお約束の「運命の再会!」なのですが、当然のように彼も魚(笑)。状況としては定番の再会シーンなのですが、何せ相手が魚ですから、この辺りのやり取りは何とも言えない噛み合わなさが、たまりません。

その後、バクチを慕うバスケ部の女子マネージャーの後輩、マリも登場。やはり魚(笑)。この作品、コメディなのですが、普通の作品とは笑わせに来るポイントが異なります。無理やり笑わせようとキャラクターに変な言動をするのではなく、シチュエーションとキャラの言動のずれで笑いを取りに来ている感じ。このシュールさが合えば、非常に楽しくプレイできる事は間違いありません。合わなければ笑えないかも知れませんが、私は楽しく読めました。

ただ、落ちの付け方が若干安直というか、一番誰でも真っ先に考える可能性の終わり方だったので、そこは少し拍子抜けでした。途中までが文句なく(?)シュールだったのに、最後だけ妙に現実的になった感じでした。まあ、あれ以外の終わり方を考えてみろと言われてもなかなか難しいとは思いますが、同じ終わり方でもこの作品らしい一捻りがあれば、よりラストが印象に残ったかも知れません。

この作品、かなりのワイドウィンドウです。私はいつもワイドウィンドウはノベルゲームには向いていないと書いていますが、この作品は例外でした。何故なら登場するのが魚ばかりです。そして魚というのは横長です。ですから、ワイドウィンドウがぴったり合っているんですよね。少しテキストウィンドウが横に長過ぎる気もしましたが、文字サイズが大きいためそれほど読みにくくもありませんでした。

ツールはLight-vnです。機能は必要十分で快適にプレイできます。プレイ時間は15分くらいで、選択肢はありません。馬鹿馬鹿しいと言えば馬鹿馬鹿しい物語ですが、重く陰鬱な作品を読んだ後や、現実世界でちょっと嫌な事があった時に読むと、あまりの馬鹿馬鹿しさに嫌な事を忘れて心が軽くなるかも知れません?
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