第644回/四人四色の黄金週間 - がーるずえんどういーく(?) - オムニバス・その他
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第644回/四人四色の黄金週間 - がーるずえんどういーく(?)

オムニバス・その他
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がーるずえんどういーく

がーるずえんどういーく■制作者/?(ダウンロード
■ジャンル/ゴールデンウィーク掌編オムニバスノベル
■プレイ時間/20分

ゴールデンウィークをテーマにした、5分程度で読める掌編を4本集めたオムニバス。彼女とのデートの最中に、空から女の子が降ってくる話、誰もいない世界で2人の少女が語らう話、幼馴染とそっくりの少女に出くわす話、そして幼馴染に大切なことを伝えにいく話。ゴールデンウィークにプレイしたい、バラエティ豊かな掌編詰め合わせ。

ここが○

  • 肩の力を抜いて気軽に読める。
  • 設定やキャラクターなど、バラエティ豊か。
  • 掌編なのにきちんと起承転結を備えた展開。

ここが×

  • 読み返しやスキップが使い辛い。
  • ゴールデンウィークである必然性が薄い気も。
  • 掌編だけに多少突拍子のない展開も。

■四人四色の黄金週間

平成最後のレビューです。ゴールデンウィークをテーマにした、気軽に読めるオムニバス掌編集です。時期的にも、今プレイするのに正にうってつけと言えましょう。実は作者さんの名前がよく分からないので(シナリオなど、個々についてはクレジットで名前が見られるのですが)、不明扱いにしました。またサイトもないため、ファイルに直接リンクしています(問題あったらご指摘ください)。立ち絵がどことなく「げっと☆おん」に似ている気がしますが、絵師さんを調べてもよく分かりませんでした(シナリオライターには、「げっと」の方も参加されています)。

4本のシナリオは、時期がゴールデンウィークというだけで、世界観やキャラクターの共通点は何もありません。立ち絵は共通ですが、ただ絵が同じというだけで、各シナリオで登場人物は別物です。そして、4本のシナリオは、どれから読むことも可能です。個人的には、右から順番に読むことをお薦めしますので、その順にそれぞれのシナリオを軽くご紹介します。ゴールデンウィークの最終日にどんな行動をするかを選択することで、シナリオを選びます。

がーるずえんどういーく1本目は「路上をさまよう」です。主人公と彼女が街を歩いているんですが、せっかくのゴールデンウィークなのに彼女の相手をろくにしてあげていないため、彼女は御機嫌斜め。そこで……という出だし。このルートだけ選択肢でちょっとだけ分岐します。選択肢によっては、空から女の子が降ってきたり、何故か大統領と電話したり、非常に荒唐無稽で意味不明な展開をします。掌編としてまとまりがいいとは言い難いのですが、彼氏と彼女の何気ない1日を切り取った一編としては、ありかも知れません。

2本目は「家に引き篭もる」。自室でゴールデンウィークの過ごし方について口論(?)する2人。会話のテンポがよく、引き込まれるものがありますが、そうして読み進めるうちに明らかになる、意外な2つの事実。なるほどそういう話だったのかと、この短さで不意打ちを食らいました。この設定を説得力を持って描くには、この長さではもちろん十分とは言えないのですが、あえて十分描かないことで想像の余地を残してくれているところが、逆に掌編向きの話かも知れません。

3本目は、「近所の公園に」。近所の公園で、中学校に上がる前に引っ越してしまった、幼馴染の女の子のことを思い出していると、その子そっくりの女の子が目の前に現れ……というお話。この話も、掌編らしからぬ少々凝った仕掛けが施されています。人によっては途中で気付いてしまうかも知れませんが、終わり方も綺麗で、掌編としてはなかなかの力作だと思いました。ただ、女の子にあんな名前をつける親の顔がちょっと見てみたいと思ってしまったのですが(笑)。

4本目は、「幼馴染の家に行く」。幼馴染の女の子の家に、大事な用事があって行った主人公のサツキ。しかしその用事が思い出せず、という冒頭部。展開としてはよくある手法で、使い古されたテーマではあるのですが、何せ短いですから、読み手が疑念を抱く前にラストシーンに突入します。全体に、過剰に語り過ぎないのが、このシナリオの美点です。ラストも静かに終わりますが、いい締め方だと思います。

以上4本。1本5分程度です。気軽に読めますし、テンポも良好。掌編なのに、どの作品もそれなりにきちんと起承転結がついている辺り(「路上をさまよう」だけは、何がなんだか分からないうちに終わってしまいますが)、手慣れたところを感じさせます。物語のバラエティも豊かで、掌編オムニバスとして楽しめる内容だと思います。

ただ、物語によってはあまりゴールデンウィークである必要性を感じませんでした。そもそもゴールデンウィークは、大型連休だからこそのGWなのであって、その中の1日だけを切り取ると、上手くやらないと普通の日曜日でも別に問題なくなる訳でして……。もっと5月らしさ、ゴールデンウィークならではの描写(人混みの行楽地とか)を前面に押し出してみても良かったかも知れません。

ツールはティラノスクリプトなのですが、バージョンが古く(この作品の初出は2014年のようです)、色々と不便です。既読スキップは右クリックを開かなければなりませんし、バックログや文章送りがマウスではできません。その分、今のティラノよりはかなり起動が早いのですが。まあ掌編ですから、遊びにくいというほどではないでしょう。今年の連休はこれから後半ですし、連休で遊び疲れたら、箸休めにこんな掌編集はいかがでしょうか?
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