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第650回/心波打つ七日間 - Linaria 7days(真波都マナ)

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Linaria 7days

Linaria 7days■制作者/真波都マナ(ダウンロード
■ジャンル/7日間で恋に目覚める青春ADV
■プレイ時間/2時間

主人公(名前任意)はある日、柚山花梨という可愛い同級生と出会う。何となく花梨が気になる中、いつもと変わらない1週間が幕を開けた。親友の東雲空也、ちょっとクールな幼馴染の瀬尾心菜、明るいクラスメイトの藍崎瑠衣、それに花梨。彼らと過ごす何気ない1週間。7日後、彼は誰を選ぶのか。スタンダードなマルチヒロイン恋愛ADV。

ここが○

  • スタンダードで遊びやすい作り。
  • 好意度の上昇が選択肢に表示されており、プレイヤーに優しい。
  • 相手ではなく自分の好感度を上げる逆転の発想。

ここが×

  • もう少し捻りがあっても良かった気がする。
  • 伏線を活用してみても良かったのでは。
  • エモーショナルボイスに若干の違和感。

■心波打つ七日間

最近ではあまり見なくなった、スタンダードなギャルゲーをご紹介します。最近は、とにかくやたら凝った物語が多い気がしますが、物語って殊更にアイディアを盛り込まなくても、キャラクターをしっかり作りこみ、因果関係をしっかり描写すれば、当たり前の展開でも面白くなるんですよね。そういう意味で、こういう作品はこういう作品で、尊重されるべきだと思います。斬新ならば面白いかというと、そうとは限りませんからね。

主人公の名前は任意ですが、予め数種類が用意されていますから、それを使ってもいいでしょう。ただ、名前入力場面では既にデフォルトの名前が表示されているのですが、既に表示されている名前を消すための操作が最初は分からずに困ってしまいました。readmeを読んでもよく分からず、全部のキーを試してみたところ、バックログ用の「A」キーで、一文字消すことができました。

Linaria 7days主人公は、日本人の父親とアメリカ人の母親のハーフという設定の高校生。ヒロインは3人。写真が趣味の美少女、柚山花梨。クラスのムードメーカー、藍崎瑠衣。それにいつもつっけんどんな態度をとる幼馴染の瀬尾心菜。この3人との会話で物語が進みます。作りはカレンダー消化型で、毎日昼休みには3カ所の場所を選び、そこにヒロインの誰かがいるという、簡易マップ散策型でもあります。そしてこの作品で少し変わっているのは、会話により上下するのが、「主人公がヒロインに対する好意」なのです。普通は逆ですよね。

だからと言って、そこまで物語として従来の恋愛ものと異なる展開をする訳ではないのですが、これにより、普通の恋愛ものとは少し違った印象を読者に与えています。変動するのが「ヒロインから主人公への好意」ではなく、「主人公からヒロインへの好意」であるため、「女の子を攻略する」というよりは、「主人公が恋に目覚める」ということを表現した内容となっています。

通常恋愛ものの売りは、好感度が上がるにつれ、ヒロインの態度がだんだん変化していく様子を楽しめることなのですが、そういう訳でこの作品は、ヒロインの態度はあまり変わらず(=最初から主人公に好意を抱いている)、主人公の気持ちが変化していくということなのですね。これはコロンブスの卵的発想です。

ただ、好意度を上げても、主人公のヒロインに対する態度がさほど変化する訳ではありません。主人公がヒロインへの気持ちに気付くのは、物語が後半に至ってからです。せっかくなので、だんだん主人公がヒロインを意識し始めるというような描写でもあれば、上で述べたような、この作品ならではの特徴が、更に際立ったかも知れません。まあ、マルチヒロインですから、それをやると文章量が結構大変なことになりますが。

3人のヒロインは個性的で、絵もなかなか可愛らしく書けています。花梨と心菜は、スタンダードな展開。さほど捻ったところのない、ストレートなシナリオです。心菜は、ツンデレポジションですね。短編としてまとまった物語。花梨は、主人公と既に出会っているというのが描写されていないため、ラストに少し唐突感を感じました。少しそれを匂わせる台詞はあるのですが、伏線をもう少し活用してみても良かったかも知れませんね。

そして瑠衣は先の2人とは少し違う方向性のヒロインです。これまた、瑠衣の置かれた問題があまり描写されないので、いまいち彼女の苦悩が伝わってこない嫌いはあるのですが、ラストの展開はなかなか見せてくれました。普通のギャルゲーではあまり見ない展開です。「ふりーむ」のレビューにも書かれていましたが、ラストのデートイベントでの反応を見ても、彼女だけは「主人公から瑠衣の好感度」が「瑠衣から主人公への好感度」も兼ねていたように感じます。

マルチヒロインですが、攻略はあまり難しくありません。何せ選択肢に好感度上昇値が書かれてますからね。ただ、好感度が上がらない選択肢をあえて選ぶと、その後により大きく好感度が上がる選択肢が出てくる、なんて引っ掛けもあり、意外と気が抜けません(これを使わないと攻略が難しいキャラも)。それでも色々試せば分かる範囲ですから、難しくはないでしょう。ヒロインは、いわゆるエモーショナルボイス。要のシーンだけ台詞を喋ってくれます。個人的には、エモーショナルボイスには違和感を感じる方なので、喋るのはイベントシーンだけでも良かった気はしますが。

ツールはRPGツクールVX Ace。故にランタイムが必要ですし、キーボードでしかプレイできませんが、冒頭の名前入力時の一文字抹消が分かり難かった以外は、遊びにくいところはありません。テキストスキップもまずまず高速ですので、2回目以降もあまりストレスはないでしょう(既読スキップならもっと良かったですが)。エンディングは、各ヒロインに好感度の高い低いで2種類、それに誰とも結ばれないノーマルエンド、加えて友人の空也とのエンドの計8種類。空也エンドでは、主人公の意外な好みが分かります。全部読んで2時間というところ。肩の力を抜いて軽く楽しめるギャルゲーです。
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