第652回/いつも誰かがパラノイア - PARANOIA PARADISE(りょーへいかい) - アクション・ドラマ
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第652回/いつも誰かがパラノイア - PARANOIA PARADISE(りょーへいかい)

アクション・ドラマ
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PARANOIA PARADISE

PARANOIA PARADISE準推薦
■制作者/りょーへいかい(ダウンロード
■ジャンル/パラノイアドタバタ学園ノベル
■プレイ時間/5時間

ナツイロは転校生。個性的すぎるクラスメイトばかりが揃っている新しい学校に、戸惑いながらも徐々に慣れ、楽しく日々を過ごしていた。しかし、そんな彼が個性的な生徒たちや、学校に隠された秘密に気づいた時、物語は徐々に動き始める。この学校や生徒たちの秘密とは? そしてナツイロ自身の謎とは一体? 展開もキャラもぶっ飛んだ学園ドラマ。

ここが○

  • 個性的過ぎるキャラクター。
  • 後半どんどん盛り上がる物語。
  • いずれのルートもラストの展開がかなり格好いい。

ここが×

  • シリアスなシーンでもギャグが脈絡なく挿入されて興醒め。
  • 設定が残らず説明されている訳ではなく、すっきりしないものが残る。
  • 背景写真があまり綺麗ではない。

■いつも誰かがパラノイア

フリーのノベルゲームをプレイしていると、個性的で強烈な作品によく出会えます。最近だと「純情☆スクールデイズ」にはかなりぶっ飛びました。が、この作品もまた強烈です。何と言っても、登場人物の物凄さは、過去プレイした作品でも随一と言っていいでしょう。

何せ登場するのが、自分のことを男だと思っている女生徒百地三太夫、猫だと思っている女生徒シン、マリー・アントワネットだと思っている男子生徒マリー、ナチスドイツの鉤十字マークをつけた制服をきているハイドリヒなど、誰も彼もが個性的を通り越して支離滅裂とも言えるキャラクター達です。キャラクター同士のやり取りも、かなりとんでもなく、序盤からついていけなくなる人が続出するかも知れません。特に、自分のことをキリストだと思っているGODのインパクトは凄く、マリーとのコンビは史上最強のインパクトです。

PARANOIA PARADISE出だしは、よくある学園もの風の導入です。孤島の高校に転校してきた主人公のナツイロが、担任やクラスメイトにいじられながらも、少しずつ学校に慣れ、友人達との慌ただしく楽しい日々を過ごすのですが、その日々は唐突に終わりを迎えます。「え、何が起こった?」と思っていると、今度はスメラギという別の主人公(でも顔は似ている)がいきなり現れ、しかも冒頭部と全く同じ状況で、話が続いていきます。

キャラクターのやり取りがぶっ飛んでいる上、展開も前半は何が何だか分からず、「???」な状態で読み進めることになるでしょう。しかし物語が後半に至って、徐々にこの物語の秘密が見えてきます。そして終盤は、4つのルートに分岐します。それぞれ百地三太夫(モモ)ルート、リョウルート、シンルート、そしてミナギルート。最初はモモルート固定で、一度読了するとリョウとシンのルートが解放、さらに3人のルートが終わると、最後のミナギルートが開かれるという仕様です。

この作品は、設定が非常に凝っていて複雑な上、細かい説明がある訳ではないので(特に主人公の謎について)、シナリオの細部は少し理解しにくいところがあります(決して難解な物語ではなく、むしろ土台はシンプルな話ですが)。が、個々のイベントの描き方が上手く、特に後半からラストにかけての盛り上げ方は、一見の価値があります。4ルートどれもいいですし、またルートによってスポットが当たるキャラクターが変わるのもいいですね。

最初に読めるモモルート。最後の決着のつけ方に、思わず膝を打ちました(反則技な気がしなくもないのですが)。最初に読めるだけあって、全4ルートの中でも比較的正統派な展開だと思います。次に読めるリョウルートは、デスゲームよろしく、1人また1人と生徒が減っていく囚われのシーンが見所。ここでのマリーとGODの言動には、「おお!」と心を動かされました。このゲームで一番好きなシーンかも知れません。

続いてのシンルートは、ロシアンルーレットでのハイドリヒとの決着の付き方には、少し消化不良を感じたものの、オチは全ルートの中で一番気に入っています。ウエダの過去について全然描かれていないので、そこは唐突感を感じましたが、ラストシーンは大変印象的でした。そして最後のミナギルート。このルートは総決算というか、全キャラクター揃い踏みの豪華な展開です。少年漫画的な熱い展開がみられます。

終わり方も綺麗で、全4ルートの中でも一番のハッピーエンドですし、ミナギとのやり取りもいいですし、ほとんど全てのキャラに活躍の場があるオールスター集合的な展開と言い、ラストにふさわしいシナリオです。ただ、終わり方はいかがなものかと(笑)。まあ、この作品らしいと言えば「らしい」終わり方であるとも言えるのですが、主人公のマツリでなくても、「何これ?」と言ってしまうかも知れません(笑)。

ただ、キャラクターが個性的で濃過ぎるのは慣れの問題かとは思うのですが、シリアスなシーンでもお構いなく、いきなりギャグが入ってきて、せっかくの雰囲気を損なっている箇所が多かったのが気になりました。BGMまでも、突然気が抜けるような曲になるので、プレイしてずっこけたことが多数。シリアスシーンとおちゃらけシーンの切り替えには、もう少しメリハリをつけた方が良かったように思いました。

ツールはNScripterです。プレイ時間は全部で4〜5時間くらいだと思います。最初のモモルートを読み終わると、リョウルート、シンルートが解放されます(「はじめから」でプレイした時、シナリオ選択ができるようになる。ミナギルートの解放時も同様)。合う合わないがあるかも知れませんが、現実離れしたキャラのドタバタがお好きな方や、派手などんでん返しのある物語がお好きな方であれば、気に入る内容だと思います。立ち絵の雰囲気を見て「これ面白いんじゃないの?」と思う方なら、楽しんでプレイできますので、やってみてください。
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