第655回/行く手は常にハイレベル - ハイレベル通学路(EIN-CHERE) - コメディ
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第655回/行く手は常にハイレベル - ハイレベル通学路(EIN-CHERE)

コメディ
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ハイレベル通学路

ハイレベル通学路■制作者/EIN-CHERE(ダウンロード
■ジャンル/通学路バトル系コメディノベル
■プレイ時間/20分

未来を見ることができる特殊能力を持つ高校生、未来予知男は、その日も通い慣れた通学路を、友人の凩百衛門と学校へ向かって歩いていた。そこに登場した宿命のライバル? そして幕を開ける意味不明なバトル。果たして予知男と百衛門は無事試練をくぐり抜け、学校にたどり着けるのか。少しレトロな感じの影絵コメディノベル。

ここが○

  • ちょっと懐かしい気分でプレイできる。
  • バッドエンドがただの即死ではなく、意外と凝っている。
  • 凝ったユーザーインターフェイス。

ここが×

  • 訳が分からないと言ってしまえばそれまでの展開。
  • エンドリストがあればなお良かったかも。
  • セーブ画面に少しだけ煩わしさが。

■行く手は常にハイレベル

似たタイプのレビューが続く時は結構続く傾向にあるのですが、前回に続き影絵ノベルのレビューです。影絵ノベルとは言っても、シリアスな物語ではなく、かつて一世を風靡した「サンダーボルト三部作」「女教師・美喜シリーズ三部作」を思い起こさせる、不条理コメディです。最近ではこの手の作品は滅多に見なくなりました。この手の作品って、センスが大事で、長編物語にはない難しさがあるからかも知れません。

主人公の名前は、未来予知男(みらい・よちお)。凄い名前ですが、本人はこの名前を気に入っているそうです(笑)。彼が学校へ行くために、朝目覚めるところから始まります。この作品も、過去の影絵コメディノベル同様、色々と凄い展開が待っていますが、個人的には開始早々の「部屋の片付け」ネタが、一番ツボでした。

ハイレベル通学路そして通学途中で友人の凩百衛門(こがらし・ひゃくえもん)と会い、2人で学校を目指すのですが、その時予知男の脳裏にある光景が電光のように走ります。実は予知男には、名前の通り未来予知の能力があるのです。かくて、予知男と百衛門に迫るピンチ。2人はなぜか校則で決まっているため、険しい悪路を学校へ向かってひた走る、という物語です。この時点で、既に普通ではない印象が十分に伝わってきます(笑)。

当然この手の作品の常として、選択肢を間違えるとバッドエンドに直行なのですが、この作品は選択肢を間違えてもすぐにバッドエンドに行くのではなく、バッドエンドでもそれなりの見せ場(と言っていいのだろうか?)があり、単なる即死エンドではないところに好感が持てました。こういう作品はエンド回収も魅力の1つですから、バッドエンドにもある程度力を入れていると、楽しさが倍増しますよね。

肝心のギャグ作品としての出来栄えですが、類似作の中ではかなり楽しめる作品だと思います(個人的には、「サンダーボルト」より好きかも)。「サンダーボルト」ほど、影絵の動きを使った演出はないのですが、その分文章や選択肢、キャラクターのやり取りで笑わせてくる、ある意味「正統派のコメディ」です。キワモノ風の外見に似合わず、プレイヤーを選ばず楽しめるのではないでしょうか。

そして、ギャグ作品ではあるのですが、トゥルーエンドは意外に「いい展開」です。でもちゃんと笑えるオチが付いています。短編作品として、ギャグの部分を除いても、シナリオ構成がしっかり考えて作られているなと思いました。途中で拾ったアイテムが伏線だったり、細かいところもなかなか凝って組まれています。

また、右クリックでメニュー画面が開くのですが、この時の挙動が手が込んでいて感心しました。こういうところを見ても、一見バカゲー風に見えるのですが、かなりしっかり手をかけて作られた作品です。こういう細かいところにもしっかり手をかけられているからこそ、プレイした時の「好感度」に繋がるのかも知れませんね(別にデフォルトのシステム画面だから駄目だというのではないですよ。いうまでもないことですが、念の為)。

ただ、セーブ画面に少しだけ煩わしさを感じました。セーブスロットをクリックすると、画面下部に「上書きしますか?」という確認が出て、カーソルをその都度わざわざ下に移動しなくてはならないのです。このゲームは、プレイ時間が短い割に、複数回プレイはほとんど必須で、いきおいセーブも頻繁に行うことになりますので、この部分は若干面倒に感じました。些細なことではあるのですが。

システムはNScripterです。エンディングはバッドが6つ、トゥルーが1つの合計7つ。選択肢をしらみつぶしに選択すれば全てのエンディングは自然と見られますから、難易度は高くありません。エンドリストはありませんが、コンプリートすればあとがきが読めたり、音楽が聞けるようになります。プレイ時間は、全部のエンディングを見て20分というところでしょう。少しレトロな風味がありますが、しっかり作り込まれた作品です。この手の「影絵コメディノベル」をプレイしたことのない方も、もちろんかつて「サンダーボルト三部作」などをプレイした方も、きっと楽しめると思います。
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