第660回/今年の聖夜は一度きり - えんどれす・くりすます(Enharmonic☆Lied) - コメディ
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第660回/今年の聖夜は一度きり - えんどれす・くりすます(Enharmonic☆Lied)

コメディ
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えんどれす・くりすます

えんどれす・くりすます準推薦
■制作者/Enharmonic☆Lied(ダウンロード
■ジャンル/無限クリスマスノベル
■プレイ時間/40分

12月25日、クリスマスの朝。照代は詩織からもらった人形を追いかけて、サンタのソリにひかれてしまった。サンタは、照代に好きなものをプレゼントしてくれ、しかも気にいるまでやり直させてくれるという。このチャンスを生かし、照代は憧れのイケメン、加納英斗との距離を縮められるか? ループコメディノベル第二弾。

ここが○

  • 相変わらずのノリが楽しい。
  • 切れ味3割増しの詩織の突っ込み。
  • ラストへの持って行き方が上手く、きちんと物語としてまとまっている。

ここが×

  • 照代の我がまま加減も相変わらず(笑)。
  • 落ちへの持って行き方は、若干反則気味。
  • 照代の人望のなさに同情した(笑)。

■今年の聖夜は一度きり

以前にもご紹介した「えんどれす・ばれんたいん」の続編のご紹介です。登場キャラクターはもちろん前作と共通です。前作は、主人公の草津照代の兄、湯太郎が発明したタイムマシンで何度もループしましたが、今回湯太郎は登場しません。ついでにいうと、加納の妹である花恋も登場しません。ちょっと残念?(笑)

それ以外は、照代の友人の詩織、イケメン生徒会長の加納がもちろん登場し、ループする作りも同様。特に今回、詩織の突っ込みの切れ味が、前作に比べて3割増しとなっています(笑)。結構冷たい突っ込みがあるかと思えば、意外と照代思いのところを見せてくれる一面もあったり、照代と詩織のやり取りは、今作も多いに楽しませてくれます。前作が楽しめた方なら、間違いなく今作も楽しめるはずです。

えんどれす・くりすます今回はクリスマスの物語。冒頭、女二人でイブにカラオケで過ごす照代と詩織。照代は、定番のクリスマスソングを、自虐的な替え歌にして歌っています(笑)。照代は詩織からちょっとしたクリスマスプレゼント(サンタクロース人形)をもらうのですが、翌日の朝の登校時、照代は詩織のプレゼントを落としてしまいます。それを拾おうと追いかけたところ、なんとサンタのソリにひかれてしまうのでした。

サンタクロースはそのお詫びに、照代に好きなクリスマスプレゼントをくれると言います。しかも、安心のクーリングオフ機能付き(?!)。満足するまで何度でも時間を戻してやり直してもいいという、お得な申し出を、もちろん照代は一も二もなく受けるのでした。こうして、ループするクリスマスが始まるという訳です。

選択肢は10種類。比較的普通の選択肢があるかと思えば、「FA権」なんて意味不明なものもあったりします。もちろんこのシリーズのお約束で、どんなものをプレゼントされても、最後には失敗してしまい、照代はサンタさんにクーリングオフを依頼して、また時間が戻ります。そして、1周は約3分から5分。手軽に一周できますし、上に書いたように今回は詩織の存在感が一層増していますので、より楽しめるようになっていますよ。

肝心のギャグの切れ味ですが、個人的には前作よりパワーアップしていると感じました。前作は、バレンタインにいかにして加納にチョコレートをあげるかという、そのシチュエーションを選ぶものだったのですが、今回はクリスマスにどんなものをもらうかという展開ですので、前回より色々な展開を作りやすかったのかも知れませんね。

10種類のエンドは、ナンセンスと言えばナンセンスな展開をするものばかりですが、私は「ドラマ」が一番笑いました。馬鹿馬鹿しいと言えばこれほど馬鹿馬鹿しいネタもありませんが、その馬鹿馬鹿しさが、照代の性格と詩織の突っ込みを得て、実に効果的なギャグになっていました。他にも「強力な設定」も、加納まで巻き込んだ漫才ぶりが面白い。なんでミックスしたのか(笑)。

「インテリな頭脳」は、この中では一番まともなプレゼントですが、照代と詩織の関係のちょっといいところが見られたり、照代が加納との恋の可能性を冷静に分析するところに、何とも言えないペーソスを感じさせてくれ、これもお気に入りのエンドです。それにしても、照代の人望のなさには、同情すら感じてしまいました。生徒会のみんなも、そこまで言わなくてもいいのに、と(笑)。

そして、全部の選択肢を試した後に、トゥルーエンドへの道が開けるのも、前作と同様です。このトゥルーエンドが、手法的にはお約束で、かつ少々反則気味なのですが、展開のロジックとしては決して破綻しておらず、綺麗にまとまっています。それに、ラストへの持って行き方がいいですね。ラストシーンでは、途中ではいろんな人から散々な言われようだった照代も、実は慕われていることが分かりますし、加納ともちょっと可能性を感じさせてくれ、とてもいい終わり方でした。

ツールはNScripterです。NScrはやはりストレスなくプレイできますね。プレイ時間は、40分から、ゆっくり読んでも1時間かからないでしょう。トゥルーエンド1つ、ノーマルエンド2つ、バッドエンド8つの合計11種類。ギャグとしても面白く、1本のストーリーもきちんとまとまった、コメディノベルの佳作です。前作とこの作品を読んで気に入った方は、同じようなシステムで作りがもうちょっと凝っている「ゼロから作るヘンテコ七不思議」も、是非プレイしてみてください。
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