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第72回/ひとりよりふたりがいい - Friend & solitude(あおぞら幼稚園)

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Friend & solitude

Friend & solitude■制作者/あおぞら幼稚園(ダウンロード
■容量/16.7MB

高校生の主人公相沢紀之。彼のクラスに、友達がいなくて孤立している早瀬水菜と言う女子生徒がいた。同級生からいつも使い走りにこき使われるのを見て、紀之はいらだちを覚えるが……。見た目に反し、意外にしっかり作られた、選択肢なしの正統派恋愛ノベル。

ここが○

  • 冗長な会話文で流れが澱む事なく、さくさく読める。
  • キャラクターの使い方がなかなか上手い。
  • 荒削りながら起承転結のしっかりした、意外に読ませるシナリオ。

ここが×

  • 立ち絵と文章はやっぱり微妙。
  • BGMの使い方にもう一工夫欲しい。
  • 視点変更は、いまいち効果を上げているとは言い難い。

■ひとりよりふたりがいい

この立ち絵を見れば「ああ、あの作者さんか」とすぐぴんと来られる方もいらっしゃるでしょう(笑)。以前ご紹介した「おにあい」の作者さんによる作品です。何と言うか、独特の雰囲気は健在ながら、今回はよりストーリー性の強い作品になっており、見た目で侮っていると意外に整った内容に驚かされると思います。て、えらい失礼な表現してますけど(汗)。

今作は選択肢なしの恋愛ノベルです。学園ものというと、ありがちなのが「キャラ同士のだらだら冗長、かつ寒いギャグ満載の会話」で流れが澱んでしまう事です。こう言うキャラ同士のやり取りは、適度に入れれば作品世界をより膨らませてくれますが、過剰になると「この作品は、ノベルゲームの形はしてるけど、キャラのやり取りが書きたいだけなのか? 物語はどこ行った?」と、なってしまいます。そしてそう言う作品はたくさんある訳なんですが……。

この作品は、キャラ同士のやり取りをちゃんと描きつつ、澱む事なく物語が進行します。前作同様、文章は巧みとは言えないまでも、流れの作り方、進行のさせ方はなかなかで、ノベルゲームではやはり「文章力」よりも(まあ文章力もあった方が良いですが)「進行力」だな、と感じさせます。キャラクターの使い方もなかなか上出来で、途中に挿入される球技大会の野球の描写など、小技も効いています。

シナリオは、取り立てて捻ったところのない素直なものですが、流れの作り方の上手さと相まって、なかなかの出来映えだと思います。ラストの「新幹線の車掌さん」ネタなどは、「そう来るか!」と唸らされました。もっとも、現実の新幹線の車掌さんがあんな事したら大問題になりそうな気もしなくもないですが、まあゲームだからよしとしましょう。

けど、幼なじみのののかにいきなりナイフを持たせてしまったのはどうかと思いました(汗)。あそこはもうちょっとマイルドにした方が良かったようにも思います。正直、モニターの前でびびりました。と言うか、やっぱりののかのエンディングも欲しかったですね。

難点は……まあ立ち絵の事はおいときまして、視点変更がいまいち効果を上げてないように感じられます。同じ時間軸を2人のキャラの目から見る作りになっているんですが、後半ではあまり意味がなかったような気がしなくもありません。要所で別キャラの視点を入れるだけでも良かった気がしますね。後はBGMでしょうか。フリーの素材を使ってるんですが、曲のセレクトや使い方にもう一工夫が欲しかったように思います。あと「あいのり」とか「のし」ってニックネームは、実際どうかと思うんですが(苦笑)。

そうそう、作品内で水菜がノベルゲームについて語るところがあるんですが、「ハーバーランド○つかまえて」(伏せ字の意味なし)「ひ○かた」と並んで、「カ○イドスコープ」ってのが出て来た時は、大苦笑。何故伏せ字(笑)。

見た目から「手作り感」全開で荒削りですが、シナリオ、キャラクターなど意外に丁寧に作られており、こう言う作品には非常に好感を持てます。「準推薦」とするには、もう1つ何かが足りない作品ですが、正統派恋愛ノベルの佳作。ノベルゲームにCGや文章力を何より求める方にはお勧めできませんが、そうでないなら、見た目で敬遠せずに、まずは気軽にプレイしてみてください。

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