第664回/光よ我が剣となれ - ウィザード美里の探偵ノート(FlatWorks) - 伝奇
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第664回/光よ我が剣となれ - ウィザード美里の探偵ノート(FlatWorks)

伝奇
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ウィザード美里の探偵ノート

ウィザード美里の探偵ノート■制作者/FlatWorks(ダウンロード
■ジャンル/高校生魔術師探偵バトルノベル
■プレイ時間/30分

神宮寺美里と鷹野亜衣の2人は女子高生なのだが、裏の顔があった。実は2人は魔術師で、街に時折現れる魔物を魔法で退治する、魔法探偵なのだ。ゴブリンの集団をやっつけて事務所に戻った2人の元に、猟奇的な連続殺人事件を捜査して欲しいという依頼が届く。2人は街に調査に出るが。バトルシーンのテンポが良い短編アクションノベル。

ここが○

  • バトルシーンの程よい緊張感。
  • スピード感のある展開。
  • 描写と展開のテンポが良く、気持ち良く読める。

ここが×

  • 文字に縁取りがされておらず読み難い。
  • キャラクターの声量に妙に差があって聞き辛いことが。
  • 終わり方が嫌に唐突。

■光よ我が剣となれ

三作続けて最新作のご紹介です。短編作品なのですが、なかなか良くできたアクションものでした。舞台設定がまず独特で、開始早々から目をひく展開で、これも短編としては珍しい部類に入るのではないでしょうか? 「探偵ノート」というタイトルから、推理ものを期待して読んだのですが、全然推理ものではありませんでした。

舞台は現代日本なのですが、魔法が実在し、魔物が闊歩する架空の世界観。そして主人公の神宮寺美里は凄腕の魔術師女子高生。同じく女子高生魔術師の亜衣と共に、探偵として、魔法でなければ立ち向かえない魔物が起こした事件を日々解決しています。その日も、美里は亜衣と共に、街に現れた大量のゴブリンを倒し、探偵事務所に戻ってきたのですが、そこに現れたのは顔なじみの刑事、東郷敬介。

ウィザード美里の探偵ノート東郷によると、ここのところ世間を賑わしている、奇妙で猟奇的な連続殺人事件が、どうやら魔物の仕業らしく、事件解決を依頼したいとのこと。依頼を受けた美里と亜衣は、早速調査に出かけます。独特な設定ですが、この設定が無理なく世界観に馴染んでおり、違和感なく読み進めることができました。主人公2人のやり取りも軽妙です。

冒頭でも書いた通り、この作品はほぼ純粋なバトル物であり、推理的な要素はほとんどありません。となると、戦闘シーンの出来栄えが物語の完成度を左右すると言っても過言ではありません。そしてそのバトルシーンですが、1枚絵を効果的に挿入し、描写も簡潔でテンポが良く、程よい緊張感を持って読めます。バトル主体の作品で楽しく読ませるのは、結構な筆力が必要で、短編ならなおのことです。

また、美里はかなりの凄腕で、美里の弟子である亜衣は駆け出しという設定です。美里は比較的簡単に敵を倒せてしまいますが、亜衣の腕前はまだまだで、1人では敵に勝つのが困難です。こういう設定だと、戦闘におけるキャラクターの組み合わせが難しく、ともすれば亜衣の存在価値がなくなるような可能性もあるのですが、この作品は戦闘シーンでの役割分担や、そこに至るまでの活躍場面の作り方が上手く、亜衣が決してただの足手まといになっていません。キャラクターの使い方が上手いですね。

ただ、終わり方はかなりいきなりです。物語中では、美里たちは2つの事件を解決する(冒頭を含めれば3つか)のですが、個々の事件の間に関連性がある訳でもなく、特に2つ目の事件の犯人は、起こす事件の大げささの割には妙に小物で、「え、これで終わるの?」と思ってしまいました。せっかく魅力的な世界観、登場人物なのですから、もっと読んでみたかったというのが正直な感想です。

なお、選択肢は2ヶ所だけ出てきます。選択肢で物語が分岐したりはせず、直後の展開が変わるだけなのですが、文章が二、三行変わる、というような些細な変化ではなく、意外と大きくストーリーが変わりますので、セーブしておいて両方の選択肢を試してみると、より楽しめるでしょう。そのセーブ画面、左上のセーブスロットが何故か使えないのが謎なのですが。

キャラクターはフルボイスで、演技も好演なのですが、キャラクターによって声量に差がありすぎるのが気になります。美里の声は大きく、亜衣は普通で、東郷の声が非常に小さく、美里と東郷が会話していると、東郷の声がほとんど聞こえません。また、フォントが黒文字に黒で縁取りをしている感じで、ちょっと読み辛いです。文字の色遣いを工夫してみれば、もっと読み易かったかも知れませんね。

画面がかなりのワイドで、画面の広さの割に窮屈さを感じるのは、ワイド画面共通の点かも知れません。慣れでしょうけど。ツールはUnityです。動作は全体に軽快で、ストレスなくプレイできます。声を全部聞けば1時間くらいでしょうが、それなりに飛ばしてプレイすると30分かからないでしょう(急げば20分かも)。軽く読めるバトル物で、この手のジャンルがお好きであれば、きっと楽しめるはずです。
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