第678回/甘くて苦いチョコの想い出 - 僕の愛したショコラ(LEVEL ZERO) - 学園・青春
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第678回/甘くて苦いチョコの想い出 - 僕の愛したショコラ(LEVEL ZERO)

学園・青春
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僕の愛したショコラ

僕の愛したショコラ■制作者/LEVEL ZERO(ダウンロード
■ジャンル/宇宙人の料理修行ノベル
■プレイ時間/1時間半

卒業を間近に控えた高3の新井直樹と中川真琴は、いつものように登校していたが、突然の爆発音の後、真琴の様子がおかしい。何と、自称アイという名前の宇宙人が、真琴に取り憑いたというのだ。アイは、望まない結婚を避けるため、3ヶ月後の料理コンテストで優勝すべく、料理を教えて欲しいというのだが。ほのぼのした雰囲気の、SF青春お料理物語。

ここが○

  • 学園ものらしい賑やかなキャラクターのやり取り。
  • 綺麗な立ち絵、1枚絵。
  • 達成度が確認できる豊富なイベント。

ここが×

  • 全体にどうも薄味。
  • ラストもかなりあっさり。
  • 分岐条件がかなり分かりにくい。

■甘くて苦いチョコの想い出

今回もまた古めの作品をご紹介です。実は過去にプレイしていたのですが、何故か取り上げていませんでした。初出は2006年頃のようです。「空を渡るツバサ」の作者さんの作品。古めの作品だけあって、ウィンドウは640x480と小さめですが、絵のレベルは高く、今見ても全く遜色ありません。ウィンドウサイズにしても、ディスプレイを占拠するほど大きいウィンドウよりも、これくらいの方が個人的にはプレイしやすく感じます。

この物語の設定は、典型的な学園ものです。時期は卒業も近い高校3年の1月。主人公の新井直樹とヒロインの中川真琴は、幼稚園の頃からの幼馴染同士という、典型的な幼馴染ものですが、冒頭でいきなり爆発音と共に、真琴が倒れてしまいます。何事かと思って見ていると、いきなり変な口調で話し始める真琴。何と、アイという宇宙人の女の子が、真琴に乗り移ったのでした。

僕の愛したショコラアイはとある星のお姫様らしいのですが、望まない結婚をさせられそうになり、自分の星から逃げてきたんだそうです。何でも、アイの星では3ヶ月後に大きな料理コンテストがあり、そこで優勝した人がアイと結婚できることになったんだとか。そこでアイは、自分自身が優勝できれば望まない相手との結婚を避けられると思い、地球に料理修行に来たというのです。いきなり物凄い設定ですが、登場人物たちは平然とこの状況を受け入れています(笑)。

そこで、料理が大の得意である直樹が、アイに毎週末料理を教えることになります。プレイ期間は、卒業までの3ヶ月。それぞれの月は第1週から第4週まであり、それぞれの週は前半と後半に分かれています。なので、全部で12フェイズからなるということになりますね。その度に色々なイベントがあるので、飽きずにプレイできるでしょう。

キャラクターも結構多いのですが、学園ものの定番といいますか、ツボを抑えた個性的なキャラクターが揃っています。ただ、物語の長さ(最初の1周は、恐らく30〜40分くらいかと)からすると、ちょっとキャラクターが多すぎるように思いました。キャラクターそれ自体はみんな魅力的なのですが、これならばもう少しキャラクターを絞り込んで、各々のエピソードをもう少し深く掘り込んだ方が良かったかも知れません。

キャラクターだけでなく、物語としてもどうも焦点を絞り切れていないところがあります。アイの料理修行がメインであるなら、もっとそこを重点的に描写し、アイが料理にだんだん習熟していきつつ、地球の文化と地球の人々の優しさに触れて……のような展開であればもっと内容が深くなったと思うのですが、なまじ色々な要素を盛り込みすぎてしまったため、かえってメインのアイと直樹、真琴との交流物語や、料理修行と言ったメインの要素が淡白になってしまった印象です。

そのため、ラストのアイとの別れのシーンも、いまいち登場人物たちの心情が伝わってきにくいんですよね。別れのイベントを感動的に描くには、ちょっと交流が描き足りなかったように思います。面白い設定で、キャラクターもいいのですから、この点ちょっと惜しまれます。ここをもう少し丁寧にやっていれば、凄く「化けた」可能性がある作品だったのではないでしょうか。

とまあ、ちょっと気になるところはあるのですが、普通の学園ものとして見れば十分楽しめる物語です。真琴&アイを始めとして、ボーイッシュな夏海、優等生の楓、気位の高いお嬢様の春香と、性格分けの明確なヒロインたちとのやり取りは楽しく軽妙。綺麗な立ち絵に、台詞は全部声付き、更にオープニングとエンディングには歌付きです。2006年当時としてもかなりの高品質。キャラクターのやり取りで楽しむ学園ものがお好きであれば、楽しんで読めるでしょう。

ツールは吉里吉里です。選択肢が多い上分岐条件がかなり分かりにくく、合計90以上のイベントを全部制覇するのは至難の業です。タイトルから達成率を見られますので、100%目指して頑張ってみてください(私は、1つだけ見られなかった)。エンディングは、エンドロールが流れる正規エンドが3種類、エンドロールがないエンドを6種類確認しましたが、正規エンドもあまりグッド、トゥルーエンドという感じがなく、もう少し明確にエンドの描き分けがあれば良かったかも。プレイ時間は、全部読んで1時間半くらい。深いことを考えず、普通の学園ものだと思ってプレイすると、存外楽しいひと時を過ごせますよ。
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