第736回/願いと恋が叶うカフェ - しぇいむ☆おん(ツンデレ喫茶製作委員会) - 恋愛
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第736回/願いと恋が叶うカフェ - しぇいむ☆おん(ツンデレ喫茶製作委員会)

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しぇいむ☆おん

しぇいむ☆おん準推薦
■制作者/ツンデレ喫茶製作委員会(ダウンロード
■ジャンル/ツンデレ喫茶恋愛ADV
■プレイ時間/8時間

東北より上京したばかりの大学生、内藤隆也。大家の都合によりいきなり引越しをする羽目になり、やってきた新しいアパートの近くで見つけた喫茶店「しぇいむ☆おん」。5人の個性的で可愛い女性ウェイトレス、さらに怪しい店長。隆也はひょんなことから毎日「しぇいむ」に通うことに。ヒロイン全員ツンデレの喫茶しぇいむ☆おん、いざ開店。

ここが○

  • 全員ツンデレとは言え、ヒロインの方向性は異なり、しっかり個性付けがなされている。
  • どのヒロインのルートも、満遍なく良くできている。
  • 快適なプレイ環境、豪華なおまけ。

ここが×

  • ギャグとシリアスの融合が上手く行っていない感。
  • 主人公が甲斐性なさすぎだったり鈍すぎたりする。
  • 一部ヒロインの攻略難易度が妙に高い。

■願いと恋が叶うカフェ

以前「げっと☆おん」という作品をご紹介しました。和風喫茶を舞台にしたマルチヒロイン恋愛ADVなのですが、その作品の中にも登場した喫茶店「しぇいむ☆おん」と、そこで働く女の子たちが大活躍する、いわば前作に当たる作品がこの「しぇいむ☆おん」です。語感は可愛いですが、「shame on」は「面汚し」、「shame on you」だと「恥を知れ」という意味です。凄い名前の喫茶店ですね。

初出は2006年の夏。当時かなり話題になった作品ですから、当然この作品の存在は知っていたのですが、「話題作にはなかなか手を出さない」という私の悪い癖で(?)、ずっと放置していました。しかし続編(外伝?)の「げっと」のレビューを書いたのに、こちらをご紹介しないのでは片手落ちもいいところ。なので今回プレイしてみました。当時評判になった作品だけあって、やはり良くできています。

しぇいむ☆おん主人公の名前は、内藤隆也。東北から上京してきたばかりの大学1年生ですが、区画整理のためにいきなり住んでいたアパートを追い出されてしまいます。急遽引っ越した街で見つけたのが、喫茶店「しぇいむ☆おん」。そこで働く阿部早苗と一悶着あり、毎日店に通うことを約束させられたのです。その喫茶店には、個性的で可愛らしい女の子たち、それに隆也の貞操を狙う(?)アフロ店長が待ち受けており、そこから隆也の騒がしくも楽しい夏の日々が始まるのでした。

システムは、典型的なクリッカブルマップ形式かつカレンダー消費型のADVです。行き先には女の子のアイコンが表示されていますが、3人以上いる場合は2人しか表示されませんので(特にしぇいむ店内)、見た目だけで判断しないように注意してください。クリッカブルマップ形式にありがちなフラグ立ての難しさがあり、里美、典乃以外の攻略は少々手こずるかも知れません。バッドエンドになると、志津江によるヒントが見られますから、それを参考にしましょう。

私がクリアした順に書きます。まずはちびっ子キャラで、実は陸上でインターハイに出るほどの腕前の典乃。「元気なツンデレ」です。このルートは、告白シーンが非常に良く出来ていました。告白後の展開も、初々しくて頬が緩みます。他のルートでは、いまいち甲斐性がなかったり、鈍感過ぎて少々いらいらさせられることも多い隆也ですが、このルートではとてもいい男でした。個人的に一番気に入っているルートです。ただ、典乃ルートに入ると、他のヒロインが完全に出なくなったのは、ちょっと気になりました。

里美は、植物好きでツインテールの、「引っ込み思案なツンデレ」。メインヒロインである早苗の妹です。このルートは、里美がだんだん隆也に惹かれている過程が上手く描かれていて、この点では全ルートで一番だと思います。ただ、シリアスなシーンでもお構いなしにギャグ展開が入ったりして、ちょっと緊張感を損なっているのは気になりましたが、ヒロインとしての魅力という点では里美が一番かも知れません(早苗ルートの里美もいいんですよね)。

美幸は、隆也との出会いの印象が悪く、最初は全く口を聞いてもらえません。「無口なツンデレ」ですね。そしてこのルートはなかなか難易度が高いです。このルートは、美幸が隆也に惹かれるようになった理由が見えにくく、その意味では少しすっきりしないものがありましたが、鍵となるキャラ「おふくろフランケン」が、ヒロイン達とは違うツンデレっぷりで話を引き締めていました。恋愛ものとしては弱さを感じるところもありますが、「ラブコメ」として見れば良くまとまっていたルートです。

可奈は、「実は幼馴染」展開。「素直じゃないツンデレ」とでも言いましょうか。ちょっと素直じゃなさすぎな感もありますし、このルートでは隆也が鈍感過ぎて、読んでいてやきもきさせられました。が、幼馴染再会ものとしてはツボを押さえた作りですし、可奈のコンプレックスや絵本の話を上手く絡ませた構成は良く出来ていました。友人キャラの荒巻もしっかり活躍していたのがいいですね。全般にこの作品は、キャラをとても大切に扱っているのが伝わってきます。

そしてメインの早苗。「ガサツ系ツンデレ」です。妹である里美が実にいい具合に絡んできて、メインルートらしく起伏が付いており、読み応えありました。彼女だけはあまりデレてないような気もしましたし、ラストの解決法が少し安直な気もしたのですが、メインルートだけあってどのヒロインキャラも満遍なく登場し、恋愛ものとして完成度の高いルートだったと思います。

他に、おまけルートとして友人の荒巻、そして阿部店長のルートもあります。あくまでおまけですが。そしてヒロインルートを読み終わると、それぞれのヒロインのおまけシナリオが読め、全員クリアするとグランドフィナーレが見られます。このグランドフィナーレのごった煮感も「げっと」同様(こっちが先ですが)。最後まで隙のない作りです。

全体に、キャラクターがとても上手く作られています。ヒロインが全員ツンデレとは言え、しっかり方向分けがされており、性格が重なっているような印象はありません。それに、阿部店長や志津江さん、荒巻といったサブキャラクターにも、しっかり見せ場が用意されており、キャラクタードラマとしてもとてもレベルの高い物語です。マルチシナリオの恋愛ものはかくあるべしと思わされました(もちろん、ルートによっては一部のヒロインが完全に消えることもありますが)。

そんな訳で、話題作だけあってとても良く出来た、満足度の高い恋愛ものでした。ツールは吉里吉里。プレイ時間は8〜10時間くらいです。セーブロード画面だけ、少し使いにくいのが気になりましたが、システムもとても良くできており、13年前の作品とは思えません。最近、これほどボリュームのあるマルチヒロインの恋愛ものはあまり見ませんし、未プレイの方はこの機会に是非どうぞ。そしてこの作品をプレイした後に「げっと☆おん」をプレイすれば、倍楽しめるでしょう。私ももう一度「げっと」をやってみようかな?
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