第737回/戻せなくても、思い出せる時 - 学校七不思議2(銀の盾) - ホラー
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第737回/戻せなくても、思い出せる時 - 学校七不思議2(銀の盾)

ホラー
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学校七不思議2

学校七不思議2■制作者/銀の盾(ダウンロード
■ジャンル/ホラー風夜の学園探索ADV
■プレイ時間/40分

冴木亮子は、教育実習生として久しぶりに母校へ帰ってきた。そこで放課後に、夜の学校で七不思議について話す女生徒達の会話が耳に入ってくる。気になる亮子は夜の学校へやって来たが、そこで謎の少女と遭遇。彼女の正体は誰なのか。そして、再び襲いかかってくる七不思議の恐怖から、亮子たちは無事生還できるのか。お手軽ホラー分岐ADVの続編。

ここが○

  • 手軽に楽しめるがしっかり作られた分岐。
  • ホラーというより、むしろ心温まる物語。
  • 次回予告は今回も健在。

ここが×

  • ホラーというには、少し怖さが足りないか。
  • 前作と比べると少しあっさりめかも。
  • 美加&絵梨に比べ、主人公の影が薄いような。

■戻せなくても、思い出せる時

学園七不思議」の続編です。前作のおまけで次回予告が見られましたので、これはプレイするしかないと思い、早速ダウンロードしてみました。古い作品ですが、容量が物凄く小さい(3MB程度)ので、ダウンロードが手軽でいいですね。容量が小さいということは動作が軽く、安定していることでもあるので、実にストレスなくプレイできました。

前作の次回予告通り、今回の主人公は教育実習生で母校にやって来た女性です。教育実習も残りわずかとなったところで、生徒たちが七不思議について話しているのを耳にします。高校時代のことを思い出し、何となく気になる亮子は、夜の学校へやって来たのですが、そこで遭遇する謎の少女(前作をやっているとすぐに誰かは分かると思いますが)。こうして、またも夜の学校探索が始まります。

学校七不思議2今作も一応ホラーで、それなりに怖い展開もあるのですが、あまり怖さを前面に押し出してはいません。ホラーとしてプレイすると少し物足りなさを感じる方もあるかも知れません(私にはちょうどいいくらいですが)。ホラー要素よりは、美加と由美のドラマを中心に、心温まる物語が展開されます。由美と美加のやり取りが適度に場を和ませてくれますし(笑)。こういう方向性の作品って、案外見ませんので新鮮にプレイできました。

ということは、前作をプレイしていないと訳が分からないということでもあります。その通りですので、是非とも前作を先にプレイすることをお薦めします(「2」とついていますし、いきなりこれから読み始める人がいるとはあまり思えませんが)。そして、今作も結構選択肢が多く、この辺りの作りも前作同様です。ただし、全三部構成だった前作と比べると、今作はごく普通の作りです。全部のエンディングを見たからと言って、新たな章に進んだりはしません(その代わり、全てのエンドを見ると、由美と美加、亮子の過去の物語が見られますが)。

前作よりも続編の方がシンプルな作りになっていることで、少し物足りなさを感じるかも知れませんが、物語の作りからしても、続編というよりは「外伝」という感じの内容です。それに、そもそも前作を読んでいることが前提の「前作のプレイヤーに対するご褒美」的な内容ですから、これはこれでありだと思います。

ただ、前作を読んでいないと訳が分からないのですが、逆に前作を読んでいると、謎の少女が謎でも何でもなくなってしまう訳で、もう少し謎めいた作りにしても良かったような気はしました。まあ、上でも書いたようにあくまで前作を補間する「外伝的」な作りですから、あまり謎がどうしたとか、そういうところは重視していないのかも知れませんね。

そう思って読めば、後半では桜を効果的に利用し、「出会いと別れ」「過ぎた時は戻せないが、心には残る思い出」というところをテーマにした、「ホラー風味の学園ハートウォーミングドラマ」として、短編ながらよく作られた作品だと思います。怖さよりは「物悲しさ」を感じさせてくれる物語ですし、逆にそこを押し出したことがこの作品の個性になっていると思います。主人公より美加と由美の方が目立ってしまって、主人公の影が薄いのは少し気になりますが。

選択肢は多いのですが、攻略はそれほど難しくありません。意味がない選択肢はほとんどありませんので、セーブを活用しながら根気強く全部の選択肢を試せば、さほど手間をかけなくても全てのエンディングを見ることができるでしょう。エンディングは全部で7つ。最後まで行くとエンドリストが見られます。ただし、見たエンドの数が増えると、自分が見たエンドがどれなのかぱっと見では分かりにくくなりますから、自分でも見たエンドをメモに取っておくといいかも知れません。この作りは前作同様ですが、その時に到達したエンドの名前が出ると親切だったかも知れませんね。

ツールは吉里吉里ですから、安心してプレイできます。全部のエンドを見て、40分くらいでしょう。どんなに迷っても、1時間はかからないと思います。最近では、こういう凝った分岐を持った短編作品はあまり見なくなった気がしますし、ホラー風味の感動ドラマというのも珍しいですから、最近ノベルゲームに興味を持った方がプレイしても、新鮮な気持ちで楽しめるはずです。あまり怖くありませんので、そこはご心配なく。
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