掌編ミニレビュー第23回 - 北の森の魔女/四色さん/すべてがウソになる - 掌編ミニレビュー
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掌編ミニレビュー第23回 - 北の森の魔女/四色さん/すべてがウソになる

掌編ミニレビュー
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67. 北の森の魔女

北の森の魔女■制作者/NOSTALGIC GARDEN(ダウンロード
■ジャンル/ファンタジー
■ツール/Live Maker


本当の願い事」「MONOCHROME」の作者さんによる掌編です。この作者さんは、デザインなどの見た目から、独特な雰囲気を出すところに特徴があります。今作も、童話のような背景画像や、ファンタジー風のフレーム画像がとても印象的。中世ファンタジーを思わせる舞台設定も手伝って、絵本でも読んでいるかのような気持ちにさせられます。

物語自体は、シンプルで特に捻りやオチがある訳ではありません。とある国の王子と、彼を助けた(のかな? 明言はされてませんが)魔女の悲恋物語です。悲しい展開をするのですが、ラストには少し希望を残してくれる描写もありますから、読後感自体はそこまで悪くありません。質の高いグラフィックスと合わせて、良い余韻を残してくれます。

鬱展開の物語って、あまり長いと「これだけ読んでこんなオチなの!?」とぐったりしてしまうことがあるので、むしろ掌編こそ、悲恋ものや鬱展開、ヤンデレものが合っているのかも知れません。気軽に読めるため、ダメージも少ないですし(笑)、延々と鬱展開を読まされるのはきついですからね。そういう意味で、長さと雰囲気がちょうどいい感じでしたし、デザインもよく出来ていて、掌編の良さを生かした作品であると思います。

68. 四色さん

四色さん■制作者/たぶんおそらくきっと(ダウンロード
■ジャンル/ホラー
■ツール/NScripter


この作品、起動して何に驚くかって、ウィンドウサイズの小ささにはびっくりさせられます。最近では、横幅が1000ピクセルを超える作品も珍しくない中、横幅300ピクセルちょっと(画面写真より少し大きいくらいです)。当時のパソコンの画面であればこれでも、「ちょっと小さいな」くらいでしたが、今プレイすると字が小さすぎて、ちょっと参ってしまいます。フルスクリーンでプレイしてもいいですが、今度は大きすぎるという(笑)。ウィンドウモードにして、画面の解像度を変更するのがいいでしょう。

女子高生の主人公が、トイレにいるという「四色さん」というお化けと出会い、「何色がいい?」という質問に答えると……という内容。この怪談自体は、それなりに知られていますね。掌編だけあって、ホラーとしては「びっくり箱」的で、そこまですごく怖いという訳ではありません(起こる出来事は怖いのですが、展開がいきなりですからね)。なので、逆にホラーが苦手な人が、お試しでプレイするのには最適かも知れません。描写や演出は、しっかりホラーしていますし。

ただこの作品、掌編にも関わらずおまけがあったり、なかなか凝った作りです。おまけの本編セルフパロディギャグはなかなか面白く、むしろ本編よりこちらの方が楽しめるのではないかと思ったほど(笑)。画面の小ささで今プレイするのは結構大変ですが、画面の解像度を落として、当時を思い起こしてプレイするのもオツなものかも知れません。

69. すべてがウソになる

すべてがウソになる準推薦
■制作者/あいはらまひろ(ダウンロード
■ジャンル/恋愛
■ツール/NScripter


お馴染み、あいはらまひろさんの作品。エイプリルフール企画の作品という意味では「ちいさな春のラプソディ」と共通ですが、こちらはより「嘘」というテーマに特化した物語です。なんと、4月1日に世界中の人が「口に出す言葉すべてが嘘になってしまう」という珍現象に見舞われてしまうのです。このアイディアの面白さと、その利用法の巧みさに感心しました。

ちょっと読めば分かりますが、口に出す言葉が全部反対の意味になってしまうので、やり取りを読んでいるだけでも面白く、これはアイディアの勝利です。ストーリーとしてはそれほど捻りがある訳ではなく、ラストも淡々としているのですが、あいはらさんがお得意とする、「その状況をうまく導き、状況に最適な台詞を持ってきて、そのシーンの効果を最大限高める」という手法は健在。ラストの指切りのシーンは、なるほどシチュエーションを上手く利用した名シーンです。

嘘を上手く利用し、ちょっとしたトラブルを描いてみるとか、あるいはラストにもうひと盛り上がりあっても良かった気はしますが、ある意味突飛とも言えるアイディアの活用法が見事でした。付き合い始めて間もないカップルの顛末を微笑ましくもコミカルに描いた、掌編ラブコメの佳作です。
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