第741回/一年越しの赦しの涙 - 学校七不思議3(銀の盾) - ホラー
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第741回/一年越しの赦しの涙 - 学校七不思議3(銀の盾)

ホラー
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学校七不思議3

学校七不思議3■制作者/銀の盾(ダウンロード
■ジャンル/夜の学校で復讐ADV
■プレイ時間/1時間

高校生の市河亮二(名前任意)は、旧友に誘われて断りきれず、夜の学校へ肝試しに行くことになった。奇しくもその日は、1年前にいじめを苦にして自殺したクラスメイト、笠原信昭の命日だった。気乗りしないまま夜の学校へ行った亮二だったが、やがて一行はとんでもない事件に巻き込まれることに……。お馴染みのシリーズ三作目。

ここが○

  • 手軽ながら豊富な分岐。
  • 程よい怖さと意外と心温まるストーリー。
  • 楽しいおまけと、そこで徐々に明らかになる秘密。

ここが×

  • ホラーシーンは文章と音だけなので、物足りない人もいるかも。
  • 本来の主人公の影が少々薄い。
  • 分岐条件が若干分かりにくい。

■一年越しの赦しの涙

学校七不思議」のシリーズ三作目。夜の学校で次々と怖い事件に見舞われるという、ある意味ベタな設定は、やたらと捻った物語が多い昨今では、逆にある意味貴重かも知れません。その意味で、最近フリーノベルゲームを始めた方の方が、新鮮な気持ちで楽しめるのではないでしょうか。今回も、長さはそれほどでもないのですが、合計7種類のエンドと、攻略しがいもあります。

今回の舞台も、もちろんいつもの学校です。主人公は、少し気弱なところがありそうな、普通の高校生市河亮二。前作同様、名前は最初に自由に入力できます。ただ、今回はおまけで前作の主人公が出てきたのですが、当然初期設定の名前で登場しましたので、「市河亮二」のままプレイした方が、この先のシリーズをプレイする上で、違和感がないかも知れません。

学校七不思議3亮二は、他人に流されやすいどこにでもいる高校生ですが、そんな彼が、発言力のあるクラスメイト(今風に言えば、スクールカースト上位?)に声をかけられて、夜の学校に肝試し(というか、夜の学校で怪談会)に誘われました。断る勇気もない亮二は、言われるまま夜の学校へ。ところが今日は、1年前にいじめを苦にして自殺した同級生の命日で、亮二を誘った連中こそが、いじめの首謀者なのでした。

テーマにいじめを盛り込んでいまして、いじめっ子に対する復讐ですから、なかなか展開に容赦がありません(笑)。文章と音だけで、ビジュアル的にはそれほど怖さをアピールしませんが、今回も結構多彩な殺されっぷりを見せてくれます。そういう意味で、程よい怖さを味わわせてくれます。ただ、ホラーが大好きな方だと、少し物足りないレベルかも知れませんが、私くらいだとこのくらいでちょうどいい感じです。

そして今回も、第一作で登場した美加と絵梨のコンビが登場して、クライマックスでは主人公を助けてくれます。立ち絵があるのもこの2人だけです。相変わらず主人公を食う勢いの活躍っぷり。ただ逆に、本来の主人公である亮二の影が、少し薄くなってしまった感もあります。エンディングの1つに、登場する女生徒と云々という話がありますが、その女生徒を少しメインキャラに格上げし、もう少しエピソードを膨らませてたら、いじめのテーマも、そして主人公やその他のキャラももう少し厚みが出たかも知れません。

とは言え、亮二の後半の言葉は主人公らしい覚悟を感じさせるものでした。目立つのはもちろん美加&絵梨なのですが、亮二も肝心なところでしっかりと物語を引き締めていますし、何より物語が解決したのはあくまで亮二あってのものです。美加&絵梨は(目立ってはいるけど)手助けをしたに過ぎません。その意味では、目立たないながらしっかり物語の屋台骨を支えた亮二は、立派な主人公です。まあ、せめて笠原くらいは立ち絵があってもいいんじゃないかとは思いましたが。

今回もエンディング数は7つです。が、今回は今までの作品と比べると、少し攻略難易度が高いように感じました。トゥルーエンドを見るだけであれば、それほど難しくないのですが(むしろ、一番それらしい選択肢を選べば、無事トゥルーにたどり着けます)、エンドを全て回収しようと思うと、結構手こずります。実は途中の、怪談を最初に聞くメンバーの選択が鍵を握る模様。そこ以外の選択肢だけをいくら試していても、なかなか全エンドには到達できませんので、ご注意ください。

個人的には、上にも書いた忍とのエンド「墓参りは二人で」が、トゥルーエンドよりも好きだったりします。終わり方も綺麗ですし(ちょっと素っ気無いですが)、少し救いも感じられる心温まるラストでした。ダークな方では「果たされた復讐」が好み。ホラーものには、やはりこういうエンドもなくてはいけません。そしてトゥルーエンドですが、序盤の行動によりラストで助けてくれるキャラが美加か絵梨、どちらかに分かれます。ストーリー自体はほとんど同じですので、お好みの相手を選びましょう。

ツールは吉里吉里です。プレイ時間は1時間くらいだと思いますが、全エンドを回収しようと思うと、意外と時間がかかるかも知れません。親切にも、攻略情報を載せてくれているブログがありますので(検索で探してください)、行き詰まったらそちらをご参考に。全エンドを見た後は、お馴染みのおまけ(美加と絵梨の日常)が見られます。

この2人が何で死んでしまったのかは謎に包まれていまして、前作までをプレイしても詳細は不明のままなのですが、おまけシナリオではその謎が少しずつ語られていて、おまけなのに結構読み応えあります。前作も「美加&絵梨に比べ、主人公の影が薄い」と書きましたし、実は本編よりこのおまけの方がメインで、やはり主人公は美加&絵梨なのかも?(笑) そしてもちろん恒例の次回予告もあります(今までと比べるとかなり簡素ですが)。今ではこういう分岐ADV自体が貴重ですし、冒頭書いたように、最近ノベルゲームを知った方こそ、実は楽しめるかも知れませんよ。
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