第750回/過去があるから強く前を見る - 学校七不思議4(銀の盾) - ホラー
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第750回/過去があるから強く前を見る - 学校七不思議4(銀の盾)

ホラー
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学校七不思議4

学校七不思議4■制作者/銀の盾(ダウンロード
■ジャンル/夜の学校で七不思議ADV
■プレイ時間/45分

内向的で人と関わるのが苦手な女子高生、三橋志緒理。ある日屋上で出会った女生徒と不思議に打ち解け、仲良くなるのだが、ある時些細なことで心がざわめき、その女生徒と会わずに過ごした。その放課後、教室で見つけた1冊のノート。ノートに書いてある名前を見て、志緒理の心は再びざわめいた。おなじみ、夜の学校を舞台にしたホラーアドベンチャー。

ここが○

  • 嫌味のないキャラクター造形。
  • そのキャラで描かれる女性同士の友情。
  • 気軽に読めてバラエティ豊かな分岐。

ここが×

  • ホラーというほど怖くはないかも。
  • 今までの作品を読んでいないと、楽しみにくい。
  • やはり主人公の影が薄い。

■過去があるから強く前を見る

つい最近からご紹介し始めたのですが、懐かしの、そしてお馴染みの「学校七不思議」シリーズ4作目。シリーズものだけあって、安定感は随一です。主人公こそ違うものの、大雑把な物語の枠組みは共通ですし、夜の学校を舞台にして展開するホラーアドベンチャーという作りも同じです。作品全体としてのクオリティも高く、安心してプレイできます。

前作「学校七不思議3」は、いじめをテーマにした物語で、結構重いところもあったのですが、今回の主人公、三橋志緒理(名前任意)は別にいじめられている訳ではありません。ただ、引っ込み思案で他の生徒と関わるのが苦手な、今風の言葉で言えば「隠キャ」というところでしょうか。友人もいない様子です。そんな志緒理がある日屋上で、見知らぬ女性と出会うところから始まります。

学校七不思議4お約束通り(?)、その女生徒はシリーズの影の主人公、斉藤美加その人なのですが、内向的な志緒理も美加とは打ち解けて話すことができ、少し志緒理が心を開き始めます。そんなある日、志緒理はこれまた見知らぬ女生徒が、美加と廊下で言い争いをしているところを見つけました。言うまでもなく、その相手とはもう一人の裏主人公、絵梨です。

その時、「もうあの子とは関わらない方がいい」と言う声が聞こえ、それが自分のことだと思った志緒理はショックを受けます。その放課後、教室で見つけた謎のノート。それを開いた結果、志緒理は夜の学校の恐怖に巻き込まれると、こういう感じの物語です。その後は、今まで同様、学校の様々な怖いスポットで怖い思いをして……と言う展開。怖さに限っては、今までの作品同様で、パターンとしても同じですので、そこまで怖いという訳ではありません。とびきりの恐怖がお好きな方だと、若干の物足りなさを感じるかも知れません。

この作品の場合は、そこまでの恐怖を追求する訳ではなく、「ホラー要素のある夜の学園ドラマ」という感じですので、この作りは全然問題ないと思います。流石に4作目なので、ちょっとマンネリ感を感じなくもありませんが、裏を返せば最初に書いたような「安定感」を感じさせるところでもあります。

ラストで美加と絵梨が助けてくれるのも今まで同様で、ある種の様式美を感じさせます。ただ今作は今までとは少しパターンが違い、志緒理と美加の友情を絡めていますので、少し味わいが異なります。様式を踏襲しつつ、こうして味付けを変えるという作りは、シリーズものならではの楽しめ方ですね。ワンパターンと言えばそうも表現できますが、こういう様式美、私は結構好きな方ですよ。ま、七不思議の七つ目にに関しては今回も明らかになっていないので、それはまた次回作のお楽しみ、ということなのでしょう。

読了後は今まで同様、やはりおまけシナリオを読めます。このおまけもまずまずの分量があり、前回同様今回も、美加と絵梨の2人が完全にメイン扱いのように感じます。もう少し、本編の主人公志緒理を前面に出してもいいように思いますが、やはりこのシリーズは美加と絵梨の物語ということなのでしょう。今回は、2人が心霊研究部に入部した時の様子が語られたりして、シリーズ通してプレイしている人には楽しめる内容ですし、本編が志緒理と美加の友情を描いていたように、こちらでは美加と絵梨の友情が描かれており、統一感を演出しているのは上手い点です。

主人公の志緒理は、地味なキャラクターではあるのですが、影の主役の2人、美加や絵梨とはまた違う性格で、美加との取り合わせも良好です。嫌味のないキャラクター造形が好印象でした。ただ、志緒理と美加の友情をテーマの1つとして据えるには、少し2人の交流の描写が少なかったように思いました。もうちょっと志緒理と美加が友情を深めるまでの描写が長くても良かった気はしますね。そうすれば、プラスアルファの魅力が深まったように思います。

ツールは吉里吉里です。ライトホラー分岐ADVは最近ではあまり見ませんし、このシリーズがお好きならば、きっと楽しめるはずです。エンディングは今回も7つ。プレイ時間は45分です。一部のエンドを除いて、攻略はそれほど難しくないでしょう。クリア後に見られる恒例の次回予告も健在。回を追うごとに、絵も進化していっていますから、その辺りに注目するのも面白いかも知れません。
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