掌編ミニレビュー第25回 - 喫茶logic/ようこそ。この美しき世界へ/ヒトマカセンセイ - 掌編ミニレビュー
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掌編ミニレビュー第25回 - 喫茶logic/ようこそ。この美しき世界へ/ヒトマカセンセイ

掌編ミニレビュー
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73. 喫茶logic

喫茶logic準推薦
■制作者/rr(ダウンロード
■ジャンル/日常
■ツール/ティラノスクリプト


タイトルからお分かりのように、喫茶店が舞台の日常物語です。主人公の押切は、閑古鳥が鳴く喫茶店でアルバイトをしていますが、そのお店の常連客、女子高生の日高さんはミステリーが大好きで、押切にしばしばなぞなぞを出してきます。押切が悩みながらなぞなぞを解く様子と、日高さんとのやり取りがほのぼのしていていいですね。喫茶店という場所が、またその雰囲気を高めています。

ただのなぞなぞゲームかと思ったら、日高さんには隠された秘密がありました。その日高さんの秘密までも、途中で謎解きのようになっているのが面白い。そして、日高さんが突然店に現れなくなった理由を語るラストシーンが、とても見事でした。実は恋愛ものでもあるのですが、最後にきてそのほんの少しの味付けが、非常に効果的に働いていて、掌編らしからぬ決まったオチを見せてくれました。

ただこの作品、テキストウィンドウが透過率100%のため、文字が非常に読み辛いです。通常ウィンドウだけでなくバックログも見辛く、特にラストシーンで、中央付近に表示される文字は、正直読めません(汗)。そういう難点を除いても、掌編としては非常に綺麗に整った起承転結がついた作品です。お薦めです。この2人が出てくる物語を、また読んでみたいですね。

74. ようこそ。この美しき世界へ

ようこそ。この美しき世界へ準推薦
■制作者/ヒビキソラ(ダウンロード
■ジャンル/病院・闘病
■ツール/ティラノスクリプト


SOLAR POWER」「ポックリが鳴った夏」の作者さんが、数年の沈黙を破って久々に公開された作品。立ち絵がなく、絵だけの作品なのですが、非常に味わい深い掌編です。眼球の移植が一般的になった未来のお話で、主人公の勇太は生まれつき目が見えません。が、眼球の提供を受けることができ、手術後包帯をとるまでの不安な時間を病室で過ごしていたところ、花宮さんという看護師が明るく励ましてくれます。

未来の物語という設定ですが、未来らしさはあまり感じず、現代のドラマとして読んでも違和感はありません。解決法は少々突飛というか力技ではあるものの、ラストで秘密が明かされた時は、なるほどそういうオチの付け方もあるのかと感心させられました。ある程度の長さがある物語であれば、この解決法はよほど上手く伏線を張らないと少し唐突さを感じるかも知れませんが、掌編なればこその展開です。

また、込められた思いがささやかな奇跡を生むという展開は、この作者さんの持ち味が生かされた物語と言えましょう。見た目は地味ですが、心を動かしてくれるいい物語でした。ラストまで読んでタイトルの意味が明らかになるという作りもいいですね。10分で心温まる物語が読んでみたいという方にお薦めします。

75. ヒトマカセンセイ

ヒトマカセンセイ■制作者/いねむりスフィンクス(ダウンロード
■ジャンル/学園・青春
■ツール/NScripter


ゆきんこ-冬の幼馴染-」「モカブレンドをブラックで。」でお馴染みの作者さんの作品です。この作者さんは、掌編であってもしっかりキャラクターの立った登場人物の軽妙なやりとりが特徴ですが、この物語でもその持ち味が遺憾無く発揮されています。また、この作者さんの掌編は「シチュエーションエピソード」とでも表現できそうな、展開というよりは登場人物が置かれた状況を楽しむ物語が多いように感じますが、この作品の場合は、結構捻った展開を見せてくれます。

ヒロインの高町京香が「家庭内虐待を受けているのでは」という疑念を持った、担任のアオイ先生が凛太郎に調査を依頼するという設定ですが、京香の秘密がかなり意外で、まさかそういう方向から攻めてくるとは思わず、驚かされました。掌編にしてはちょっと設定を消化し切れていないところもありますが、面白いアイディアとキャラクターが盛り込まれた意欲作です。

掌編にしては少し盛り込まれた内容が多く、少し複雑な内容で、上手くやらないとまとまりのない物語になりがちですが、最後のアオイ先生の一言が、この掌編を上手く締めくくっていました。短いながら構成も上手く作られている物語です。この作品も、この登場人物で続編を作ってみても面白いかも知れませんね。
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