第763回/Sevens Heaven, show must go on! - RADIANT*SIGN(a.r.b. Games) - アクション・ドラマ
FC2ブログ

NaGISA net - フリーノベルゲームレビュー

ARTICLE PAGE

作品リスト − 新着順名前順プレイ時間順ジャンル別掌編
久住女中本舗作品リスト - 新着順/名前順
Peing質問箱(リクエスト、ご質問お気軽に)

第763回/Sevens Heaven, show must go on! - RADIANT*SIGN(a.r.b. Games)

アクション・ドラマ
  • comment0
  • trackback-

RADIANT*SIGN

RADIANT*SIGN準推薦
■制作者/a.r.b. Games(ダウンロード
■ジャンル/頂点を目指す5人のアイドルノベル
■プレイ時間/1時間半

一之瀬夏姫はアイドルに憧れる女子高生。今まで99回のオーディションを受けたが、ことごとく落とされてきた。が、100回目で、弱小プロダクションのオーディションについに合格。何もできない夏姫だが、仲間との出会いを通して、少しずつアイドルとして成長し、目指すは夢の「Five Star Cup」。抜群のテンポで送る、アイドルサクセスストーリー。

ここが○

  • 絵が非常に美しい。
  • おまけやサイドストーリーなど、システム面も凝っている。
  • 個性的なキャラと、非常にテンポよく読み進められる物語。

ここが×

  • パソコンではプレイしにくい。
  • 文章表示領域が狭く地の文もないため、ちょっと心情描写の味わいに欠ける。
  • テンポが良すぎて掘り下げが足りない感。

■Sevens Heaven, show must go on!

久々に、スマートフォン仕様の縦長画面の作品です。システム面でも、1話が4つのパートに分かれて短い時間で読め、いつでも中断できるなど、スマートフォンでプレイするのに適した仕様となっています。「スマホでもプレイできる」ではなく、ユーザーインターフェイスも徹底的にスマートフォンに最適化されているため、むしろ「パソコンでもプレイできるスマホ作品」と言えましょう。流行の(?)アイドルもの作品です。

アイドルものといえば、過去にも地下アイドルをテーマとした「地下アイドルやめますか」「アキバクロニクル」や、ローカルアイドルがヒロインだった「夏のヒロイン(28)」がありましたが、この作品は全国レベルの正統派アイドルグループのサクセスストーリーですから、それらの作品とは趣きが違います。あえて言えば、3人のアイドルグループのマネージャーが主人公だった「CHANGE!!」が、少し雰囲気が近いでしょうか。

RADIANT*SIGN主人公の名前は、一之瀬夏姫。アイドルを夢見る女子高生ですが、99回も立て続けにオーディションに落とされ続けてきました。が、100回目でとうとう合格。弱小プロダクションではあるものの、アイドルデビューの第一歩を踏み出しました。理解のある若き社長と、教育係の支倉癒月に支えられ、少しずつアイドルとしてデビューするための特訓を積んでいきます。

出だしはよくある感じですが、とにかくこの作品はテンポがいいです。全9話から成り、1話は4つのパートでできているのですが、1つのパートはせいぜい3分くらい。なので流れが澱むところは全くなく、どんどん話が進みます。そこへ個性豊かなキャラクターが絡んできて、実に快適にすいすいと物語を楽しむことができました。このテンポの良さは、スマホに合わせたものなのかも知れませんが、それにしても特筆ものでした。

そして、紆余曲折ありつつも少しずつメンバーを集め、やがて国内アイドル最大の祭典、「Five Star Cup」に挑みます。テンポがいいのはもちろん、全体の流れとしても、しっかり要所要所にイベントが配されており、読者をどんどん引き込む作りになっていました。癒月の秘密や晶とのエピソードなど、それほど長くない物語に山あり谷ありの展開があります。全体のテンポの良さがないと、これほど盛り込めなかったでしょうから、これは構成の勝利と言えましょう。

反面、気になるところもあります。テンポがいいのは一つの美点でもあるのですが、あまりにテンポが良すぎて、重要なイベントもさらりと軽く流されてしまい、少し味気なく感じる箇所もありました。「ここはもっと時間をかけてじっくり描写して欲しいな」「このエピソードはもっと掘り下げて欲しいな」と感じたところも多数。構成上仕方ないとは言えますが、要となるいくつかのイベントは、もう少し長めに描いてみても良かったような気がします。

そしてこれに関係しますが、この作品はスマートフォン仕様ですので、テキスト表示領域が非常に狭いです。加えて、この作品には地の文がありません。ですので、ただでさえ一度に表示できる文章量もどうしても少ない上に、地の文による心情、情景描写がないものですから、淡白に感じるところがありました。ノベルゲームというよりは、アイドル育成シミュレーションの幕間デモを見ている感覚になったのですね。盛り込まれている要素も多いですし、これだけの物語、もう少ししっかりと読んでみたかったように思いました。

立ち絵など、グラフィックス周りは非常に美麗です。縦長画面のため、横長画面の通常作品に比べるとちょっと1枚絵が映えないのですが(縦長だとどうしてもスナップ写真のようにならざるを得ませんから)、それにしても高品質です。台詞はフルボイスで演技も上手いですし、音楽も恐らくオリジナルと思われますが、どれもよくできており、かなり手をかけて作られていることがうかがえました。また、クリア後のおまけも充実。Wikipediaを模した「ipedia」で作中用語や人物の解説が見られたり、サイドストーリーが見られたり、おまけシナリオ(これがまた良くできている)が見られたり、楽しい要素が満載です。

スマートフォン仕様のため、マウスホイール上回転での文章読み返しができない(下回転での文章送りはできます)、マウスの右クリックでメニューを使うことができないなど、パソコンでは色々な意味でプレイしにくいのですが、これは仕方ないことでしょう。それと、スキップボタンは実装されていますが、押すと一瞬でそのシナリオが終わってしまいます。特定のイベントをもう一度見たい場合は、マウスホイールで文章を飛ばさないといけないのも、少し不便に感じました。

ツールはティラノスクリプトです。選択肢はなく一本道の物語。1話はおおよそ10分くらいで、全部で1時間半から2時間程度。各話には折々のサイドストーリーが用意されていますので、1話終わるとサイドストーリーを読みながらプレイすると盛り上がるでしょう。上に書いたように、おまけストーリーも充実しています。奥の深さを味わうというより、快速テンポでサクセスストーリーを楽しむのがいいと思います。気持ちよく読んで楽しめる物語ですよ。
関連記事

Comments 0

Leave a reply