第768回/お宝求めて天翔る - ドラゴンの宝物(あほちゃん) - ファンタジー
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第768回/お宝求めて天翔る - ドラゴンの宝物(あほちゃん)

ファンタジー
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ドラゴンの宝物

ドラゴンの宝物■制作者/あほちゃん(ダウンロード
■ジャンル/ドラゴンの巣で宝探しノベル
■プレイ時間/40分

ジギィはドラゴンの宝を求めて旅をするトレジャーハンター。ある時疲れて休んでいると、ワイバーンを連れた女性が現れた。その女性ルーシーは、ドラゴンの居場所を知っていると言う。妙に人懐っこいルーシーを多少胡散臭く感じながらも、成り行きでルーシーと一緒に旅をすることになったジギィ。果たして2人はドラゴンの財宝を手にできるのだろうか?

ここが○

  • ヒロインのルーシーが可愛い。
  • ジギィとルーシーの会話が楽しい。
  • 大袈裟な事件はないものの話の流れのテンポがいい。

ここが×

  • 特に大きな事件もなく、少し盛り上がりに欠ける。
  • 多少ご都合主義的なところが。
  • 1行の文字数が多く、少し読みにくい。

■お宝求めて天翔る

1時間以内で読める手頃な作品をプレイしたいと思い、色々探してみたのですが、このくらいの時間の作品は案外見つからないものです。結果、ふりーむのノベルゲームカテゴリーを100ページも遡る羽目になりました(笑)。そして見つけたのがこの作品。プレイ時間が手頃でジャンルもファンタジーと興味をそそります。「温かく、暖かい冬、なのか」「ひとでなく、ひとでなし」の作者さんの作品です。この作者さんは、ファンタジーでもSFでも、設定が独特で面白いのですが、この作品も、正統派風の中にちょっとした味付けがしてあり、興味深く読めました。

舞台はワイバーンやらドラゴンが出てくるファンタジー世界。しかし、剣は出てきますが魔法は出てきません。そして主人公のジギィはドラゴンの財宝を狙うトレジャーハンター(とは明記していませんでしたが、そんな感じに見えました)。正義の味方という感じではなく、かと言って小悪党でもなく、宝は欲しいがドラゴンは怖い、小市民的で素直じゃないものの、憎めないタイプの男です。

ドラゴンの宝物そんな彼の前に現れたのが、ワイバーンを駆る女性、ルーシー。ショートカットの元気少女です。このルーシーというキャラクターがとても魅力的で、ジギィ1人だけだとちょっと棘が感じられるところを上手く和らげていましたし、2人のコンビネーションが絶妙でした。掛け合いの妙も味わえます。そしてそんな2人は、成り行きから一緒に旅をすることになるのでした。

この2人がドラゴンの宝を見つけるまでのお話なのですが、話としては特に伏線がある訳でも、意外なオチがある訳でもありません。純粋に、2人の掛け合いと、ちょっとした小さな冒険の顛末を楽しむ物語です。何と言いますか、連続テレビアニメの中の1エピソードという感じ。これは別に悪い意味ではなく、逆にこの2人の次のエピソードをもっと見たい気にさせられるような、そんな作りでした。

お話は、ジギィとルーシーがドラゴンの巣の情報を聞いて、そこへ出かけて、そして……という感じの展開。展開は実にストレートで、特に捻ったところはありません。その分展開のテンポはよく、ジギィとルーシーのやり取り、そこに言葉は喋れないものの存在感を見せるワイバーンのセルクルが絡み、この2人+1匹はなかなかいい組み合わせです。ラストでは少しだけ緊迫感のあるイベントもありますが、意外と軽くクライマックスへ導かれます。長さも適度で、2人のやり取りを主体に上手く読者を引っ張ってくれました。

楽しく読めるお話ですが、展開が上手く行きすぎて、少し都合よく話が進みすぎるところもあります。その分ラストは上手く行かないのですが(笑)。もう少し緊迫感を煽っても良かったかも知れません。出てきただけだったドラゴンの卵をオチに絡ませてみるとか(絡むのかと思って読んでました)。もちろんこれはこれでテンポが良く楽しめるのですが、最後まで読んでも、上にも書きましたがなんとなく「連続テレビアニメの第1話」みたいな感じで、導入部はいいのですが、少し締めの弱さを感じました。長いお話の冒頭部だとすれば、とてもいい引きとキャラクターなのですが(続きを読んでみたくなりました)。

ちなみに、ジギィとルーシーは、最後だけ少しいい雰囲気(?)になるものの、別に恋愛風の描写があったりはしません。少しそういう描写も入れてみれば、物語に味が出たかも知れません。まあ、「旅の間だけ利害が共通するので共に行動する」という少しドライなところに2人の掛け合いの面白さを交えたのが、この作品の良さという気もしますから、これはこれでいいような気もしますが。

文章は全画面に表示されるタイプですが、適度に空白行が挿入されており、読み手に親切です。ただ、文字が小さめでかつ1行の文字数が多く、その意味では少し読み辛さを感じました。もう少し字を大きくし、改行ピッチを広く取っても良かったかも知れません。それ以外には快適にプレイできました。

ツールはLive Makerです。プレイ時間は30〜40分くらいでしょう。選択肢はありません。ファンタジーは、設定に凝りすぎると最初の段階で疲れることもあるのですが、設定を上手く味付けに使い、キャラクターで楽しく読ませてくれる物語でした。ファンタジーとしては少し珍しい作りの作品と言えるかも知れません。ファンタジーがあまり得意でない方でも、楽しんで読めると思いますよ。読んだらきっと、ジギィとルーシーの冒険の続きが気になってしまうことでしょう。
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