第774回/妖怪の正体見たり最上川 - 事故物件に住んでみた。-205の場合-(ZIZANION GAME) - コメディ
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第774回/妖怪の正体見たり最上川 - 事故物件に住んでみた。-205の場合-(ZIZANION GAME)

コメディ
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事故物件に住んでみた。-205の場合-

事故物件に住んでみた。-205の場合-準推薦
■制作者/ZIZANION GAME(ダウンロード
■ジャンル/事故物件ホラー風コメディノベル
■プレイ時間/1時間20分

職場近くに格安のアパートを見つけた三十路ぼっちの渡辺ハジメだが、実はそれは事故物件だった。不動産屋に食ってかかるも、まるで相手にされない。嫌な予感を抱えながら部屋に入るが、隣に住んでいたのは会社の先輩、セイジだった。そしてポルターガイスト現象を体感したハジメは調査に乗り出す。フルボイスでお送りするぶっとんだホラー風コメディ。

ここが○

  • 立ち絵が上手い。
  • 音を上手く使った切れ味の良いギャグ。
  • 選択肢を間違えても面白いギャグが見られたりする。

ここが×

  • 読み返しが出来ないなど、プレイしやすいとは言い難い。
  • 難易度が高く、独力で正解を見出すのが困難。
  • 結局明らかにならないケンの心残り。

■妖怪の正体見たり最上川

最近は、以前に比べてホラー作品を積極的にプレイするようにしています。そしてこの作品も、第一印象でホラーなのかなと思ってダウンロードしたのですが、プレイしてみると全然ホラーではありませんでした。いえ、設定からするとホラーなのですが、ノリが全然怖くないんですよね。結構怖いことも起こっているはずなのですが、それを面白おかしく語ってくれるため、コメディとしてのノリが前面に出ており、楽しくプレイできる作品です。

主人公の名前は渡辺ハジメ。名前はハジメですが、女性です。そして見た目は若々しいですが、三十路です。しかもぼっちです(笑)。このハジメが、職場の近くに新しいアパートを借りるところから始まります。引っ越しの時は、不動産屋さんで鍵を受け取りますが、その段階でその部屋が事故物件(その部屋の前の居住者が死亡した物件)ということを知らされます。これ法律違反のような……。それでも家賃の安さに負けてそのままその部屋に入居するハジメ。なかなかの強者です。

事故物件に住んでみた。-205の場合-そのアパートの隣の部屋には、会社の先輩であるセイジが住んでいます。このセイジは悪い男ではないのですが、後輩をいじって楽しむタイプ。ハジメの部屋が事故物件だと聞いて、ハジメを怖がらせるようなことばかり言ってきます。さらに、ハジメは部屋でポルターガイスト風の現象を体感してしまい、やはりこの部屋は普通ではないと結論。この部屋の謎を解明するために動き始めます。

この設定だけを見ると完全にホラーです。しかし、キャラクターの反応がいちいちぶっ飛んでいて、ほとんど怖さを感じさせません。特に、音を使った演出が面白いシーンが多く、笑わせてくれました。個人的には「ねるねるねるね」のネタが一番ヒットでした。あんなので不意打ちされたら、そりゃ笑うに決まってます(笑)。

他にも「最上川」ですね。何故最上川なのか分かりませんが(笑)。また、突然主人公が変わってしまうのも驚きました。そのまま最後まで行くのかと思ったら、途中でちゃんと元に戻ったので安心しましたけどね。とにかく、冷静にシナリオを見ると、結構支離滅裂な内容なのですが、その支離滅裂ぶりすら、コメディとしての面白さとして上手く活用しており、全編を通して笑えて楽しい物語に仕上がっています。立ち絵も綺麗です。フルボイスなのですが、主人公のハジメを除けば、それほど手慣れた感じの演技ではありません。しかし、ケンの声なんかは、聞いているうちに慣れてしまって、案外これはこれで悪くないように思えてきました。

物語は全3話。選択肢はかなり数が多いのですが、前半はどれを選んでもその場の反応が違うだけで、展開は同じというものが多いようです。中盤から後半にかけては、即死選択肢も出てきます。凝ったフラグ立てはなく、即死選択肢の積み重ねですので、ほとんどの箇所はさほど難なく攻略できるでしょう。ただし第3話で、ハジメが妖怪の世界から脱出する箇所だけは、単純な選択肢でクリアできるという作りではないため、かなり苦戦すると思います。私もかなり悩んだ末、結局作者さんのサイトを参考にしました。

作者さんのサイト(ブログ)を見れば答えは書いてあるのですが、ヒントとしては「選択肢の内容ではなく、回る場所の順番が大事」ということ。これは普通にプレイしていてもちょっと気付きません。ここは作中で何らかのヒントが欲しかったところです。明確に「古い順」というのを示す一文でもあれば、大分プレイヤーに優しかったのではないかと思います。ここだけはちょっと気になりました。

あとは、全体にプレイしやすくないんですよね。まず文章読み返しが出来ません。加えて文章スキップの止め方に癖があってすぐには止められず、文章を読み逃してしまって再度ロード、なんてことが何度かありました。また、文章をマウスホイール下回転で送ることも出来ません。また選択肢が多い作品なのですがセーブ箇所も少なく、5カ所しかありません。ま、上手く使い回せば5カ所でも何とかなりますが、読み返しやスキップに難があるというのは、この作品の性格を考えればどうしてもデメリットであると言わざるを得ません。

ラスト近くも、一見シリアスにも見えるのですが、何せシチュエーションが笑えますし、相変わらず効果音で笑わせてくれますので、最後までコメディとして楽しませてくれました。結局、ケンの心残りが何なのか分かりませんでしたので、そこは私自身の心残りになってしまいましたけどね。そしてエンディングの歌がまたインパクト抜群。エンディングで、登場キャラクターのその後が紹介されますが、三十路ぼっちのハジメが、あの部屋に7年も住んだというのを見て、ちゃんと結婚できたのだろうかと、どうでもいい心配をしてしまいました(笑)。

ツールはティラノスクリプトです。上に書いたように、システム面にはちょっと難がありますので、そこは注意が必要です(うっかり文章を読み飛ばさないように!)。エンド数はバッドエンドが多数ですが、バッドエンドの中にも非常に笑えるものが多いので、是非全部見てみてください。プレイ時間は、一直線にラストまで行けるならともかく、ある程度迷えば1時間半くらいはかかるでしょう。コメディとしてはかなり完成度が高い作品です。何も考えずに笑える楽しい作品を読んでみたい方は、是非。
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