掌編ミニレビュー第29回 - キミとつくるハッピーエンド/七月七日とそのあした/赤信号 - 掌編ミニレビュー
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掌編ミニレビュー第29回 - キミとつくるハッピーエンド/七月七日とそのあした/赤信号

掌編ミニレビュー
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85.キミとつくるハッピーエンド

キミとつくるハッピーエンド■制作者/ゴリさん(ダウンロード
■ジャンル/恋愛
■ツール/Unity


スタンダードな恋愛ものです。幼馴染ものですね。冒頭で、主人公が友人から物凄く酷いことを言われ、友人が去っていきます。ここの友人の酷さは、過去の恋愛ノベルにも例がないほどで、ちょっと笑ってしまいました。あそこまで酷い奴にする必要があったのだろうか、と(笑)。その分、掌編恋愛ものとしての掴みは十分でしたので、あれはあれでありな導入部かも知れません。

その後は、幼馴染ものとしてはスタンダードな展開をします。最初からヒロインの梓が、主人公に対する好意全開です。隠そうとして隠し切れてない、というか(笑)。なので主人公の鈍感ぶりにちょっとやきもきさせられます。これが中編以上の長さの作品であれば、主人公についていけない人が続出したかも知れませんが、掌編ですので十分楽しめます。何よりヒロインが可愛いですね。立ち絵もいいですし、言動に隠された主人公への思いが、見ていて微笑ましいです。

せっかくなので、冒頭に出てきた友人が、最後で何か酷い目にあってくれば溜飲が下がったんですが(笑)、気軽に楽しめる恋愛ものです。幼馴染ものがお好きであれば楽しめると思います。それと、立ち絵だけでなく手描き風の背景イラストが、大変魅力的でした。加工なのか手描きなのか分かりませんが、手書きだとしたら凄いですね。この背景も手伝って、ちょっとノスタルジーを感じさせる雰囲気を醸し出してくれる作品です。

86. 七月七日とそのあした

七月七日とそのあした■制作者/6月(ダウンロード
■ジャンル/日常
■ツール/ティラノスクリプト


タイトルから、七夕に絡んだ季節ノベルかと思いきや、あまりそういう感じの話ではありません。一応、織姫と彦星が同行という場面もありますけど。月彦とななかの仲の良い兄妹が、七夕の夜に家を抜け出して星を見に行くという、言ってみればただそれだけの物語です。夜の物語だけあって終始暗い画面でストーリーが進行しますが、これが一本調子になりがちな物語を上手く盛り上げてくれています。

実はこの2人の両親にはちょっと問題がありまして、それは作中で明らかになるのですが、そう思って冒頭からもう一度見ると、薄暗い画面に月彦の後ろ姿という画面にも、何やら暗示的なものを感じさせます。ストーリー自体は、ラストで特に何かオチがつく訳ではなく、本当に「2人で星を見るだけ」なのですが、そういう訳で味わい深い小品です。

ちなみに選択肢があります。常識で考えて危ない方を選ぶと即死しますのでご注意。そして読了すればおまけが読めます。その後の2人が幸せそうで良かったですが、本編では微笑ましかった兄妹関係が、ちょっと危ない方向へ進みつつあるような気がするのは気のせいか(笑)。この後の2人の物語が気になります。

87. 赤信号

赤信号■制作者/Zh(ずぅ)(ダウンロード
■ジャンル/ナンセンス・不条理
■ツール/ティラノスクリプト


掌編でも時たま非常に独特なセンスを持った作品に出会いますが、この作品もかなりユニークです。最初、赤信号を待つかどうかを選ばせたと思ったら、突然全然関係ないシーンに飛ぶのです。私は最初、一体何が起こったのかと思ってしまいました。特に、この作品は掌編とは思えないほどの大量の1枚絵だけでストーリーが進むのですが、そのイラストのセンスがまた凄い。

信号を待つシーンがあることと、独特のタッチのイラストで、私は「儚い空想は私の現実」を思い出しました。同じ作者さんなのではないかと思ったほどです。まあよく見てみればイラストのタッチは異なるのですが、とにかく物語中の登場人物の心情を、先鋭的な情景で描いてみるセンスは一見の価値があります。電車の中でシュノーケルをしているシーンはかなりインパクトがあり、印象に残りました。

作中で語られているテーマに全て同意するかと言われると、必ずしもそういう訳ではないのですが、しかし赤信号をテーマにした切り口は斬新です。ラストは、結論というよりも一つの問題提起だと思えば、なるほどと頷けるところもあります。選択肢で分岐しますが、間違えるとすぐ終わりますので簡単です(笑)。エンターテインメント風の物語ではないのですが、刺激が欲しい方にはうってつけの掌編ではないでしょうか?
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