第94回/コードネームはRYU - ドラゴン(とんぼ) - アクション・ドラマ
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第94回/コードネームはRYU - ドラゴン(とんぼ)

アクション・ドラマ
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ドラゴン

ドラゴン準推薦
■制作者/とんぼ(ダウンロード
■容量/16.0MB

航空自衛隊千歳基地、第2航空団201飛行隊に転任してきた寺坂悠二は、F-15「イーグル」に搭乗して大空を駆け巡る、イーグルドライバー。個性的な空自の仲間たち、出会い、再会、そして別れ。パイロットたちの日常を生き生きと描いた、リアルだけど非現実的なノベルゲーム。

ここが○

  • 会話文を始め、進行がとても小気味いい。
  • 戦闘シーンの描写が良く出来ている。
  • 作者さんが中学生と知って驚いた。先が楽しみ。

ここが×

  • これからという時に終わってしまう。
  • 特に日常シーンで、背景画像がちょっと少なくて単調。
  • ツールはYuuki! Novelなので、システム面には期待しない事。

■コードネームはRYU

基本的に、私はノベルゲームをプレイする時には、作者さんがどういう方かはあまり考えない事にしていますが(男性が書いたか女性が書いたかくらいは、読んでいればある程度は分かりますが)、この作品の作者さんは何と中学生。これには驚かされました。中学生というと、文章もライトノベルタッチの、大人が読むには辛いものなんじゃないかと、恐れおののく方もいらっしゃるかも知れませんが(笑)、この作品にはそんな心配はありません。どなたでも安心して楽しめる作品ですので、どうぞプレイしてみてください。

この作品の舞台は航空自衛隊千歳基地です。そこへ赴任してきた主人公と、仲間たちの物語です。色々な事件が起こり、主人公が自分を見つめ直すというような、割と地味目なストーリーになっています。もちろん物語なので、非現実的な事も起こりますが、全体を通しての雰囲気は現実的で、登場人物も変な奴は出て来ないので、安心して読めます。方向性は大分違いますが、「夢を見たその後で」に近い雰囲気を感じます。

そして、作者さんが中学生とは思えないほど描写が小気味良く、快適に読めます。戦闘機に乗り込んでどうのこうのというシーンがとても多いんですが、何と言うか良い意味で「重くない」んですよね。キャラ同士のやり取りにしてもそうですが、良い意味で現実的で、そして良い意味で「軽い」です(これを逆にしてしまってる作品が、結構多いんですよねえ(苦笑))。

作中には、戦闘機などの用語が頻出します。そして空戦の時の描写は、はっきり言って私にはほとんど理解できませんでした。そう言う作品の場合、往々にして「自己満足」に終わってしまいがちです。ところが、今作にはそう言った押し付けがましいところがありませんでした。戦闘シーンも、単語などは分からないんですが、テンポが良く、読んでいてとても楽しいのです。文章は、中学生なりという感じでそう筆致が巧みという訳ではないですが、私はノベルゲームにおいては筆致の巧みさより、この「癖のなさ」「押し付けがましいところのなさ」が大事だと思っています。これは、この作者さんのセンスのなせる業でしょうね。

難点もいくつか。まず、ツールがYuuki! Novelなので(以下略)。まあ、この作品の場合は分岐する訳でもないですし、そう気になりませんでしたが、気になる方は気になるかも知れません。そして、背景画像。特に空戦時は、戦闘機の画像などを大量に使用して臨場感を高めているんですが、反面日常シーンの背景が乏しかったのが、ちょっと気になりました。

それから、後半はストーリーもなかなか盛り上がるんですが、「いよいよこれから!」というところで終わってしまうんですよね。それこそ少年漫画誌の打ち切り作品みたいで。「彼らの戦いはこれから始まる」。完。○○先生の次回作にご期待ください、みたいな(笑)。まあ後書きで次回作についても書かれてましたし、次回作や外伝に期待する事にしましょう。

しかし、中学生くらいで小説を書くと、キャラクターメイキングに「若さ」が出がちなんですが(変な口癖を付けてみたり、あり得ない特技を持たせてみたり、キャラ同士で延々寒い会話を続けさせたり)、今作にはそんな事が一切ありませんでした。中学生でこれだけ書けるとは、これは将来が楽しみです。

プレイ時間は1時間少々というところ。クリア後のおまけ(?)は、結構笑えます。期待料込みで「準推薦」。「非現実的だけど、シリアス、そして前向き」な話を読みたい方に、この作品は打ってつけです。
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